尾崎行雄の思想と行動に共感し、何度かその一端を紹介した(「理想に燃えた憲政の神様・尾崎行雄」、「世界永遠の平和と帝國の主張(尾崎行雄)」、「世界から泥棒国を無くなす」)。この度、天皇制にも批判的で、新憲法を知らされたとき、「憲法に【天皇]とか【国体]とか、そういう文字が出ている以上は、つぎの原爆はまた日本に落ちるぜ」と言っていたということを知り、その眼力に驚いてしまった。なぜなら、核兵器禁止条約に背を向け、軍拡という危険な道をまっしぐらに進んできており、尾崎の予言通りになりかねないからだ。尾崎行雄の思想をもっと勉強してみたい。
敗戦から二年目にこの新憲法が制定されて、そのとき、金森徳次郎というのはなんの大臣だっ たのか、憲法のほうの係だったんです。金森徳次郎がこの新憲法施行のときに、その施行の祝典が終わったその足で尾崎咢堂(行雄)を訪ねまして、「先生、こんどの憲法はいいでしょう」と、「もとの憲法とちがって、こんどの憲法はひじょうに民主的であり文化的である。憲法としては落度がない」とほめてもらおうとおもって、金森徳次郎は尾崎号堂の別荘を訪ねるのです。
そうしたら、尾崎咢堂が「憲法に【天皇]とか【国体]とか、そういう文字が出ている以上は、つぎの原爆はまた日本に落ちるぜ」と言ったんです。それで金森徳次郎はその一語に震えあがるのです。(『人間みな平等』、住井すゑ著、岩波ブックレット、1994年、p31〜32)
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