2021年8月31日火曜日

世襲を怒れ!世襲を断ち切れ!

 今日は、まさに今日の問題を先取りした詩「最上河岸」を紹介する。以前も民主主義の理念、平等原則に反する世襲制」で政界における世襲制を取り上げた。今回のこの詩は、政界も含めた家父長制の問題として「人間の仕事は一代かぎりのもの」なんだ、と訴えている。
 最後の一行「一 人の象徴の男さえ立っている」は、世襲制の代表格のことを言っていることは明らかだ。天皇のことまで容赦をしない態度が清々しい。
子孫のために美田を買わず

こんないい 一行を持っていながら
男たちは美田を買うことに夢中だ
血統書つきの息子たちに
そっくりに残こしてやるために
他人の息子なんか犬に食われろ!

黒い血糊のこびりつく重たい鎖
家父長制も 思えば長い

(中略)

人間の仕事は一代かぎりのもの
伝統を受けつぎ 拡げる者は
   その息子とは限らない
   その娘とは限らない

世襲を怒れ
あまたの村々
世襲を断ち切れ
あらたに発ってゆく者たち
無数の村々の頂点には
一 人の象徴の男さえ立っている(『おんなのことば』、茨木のり子著、童話屋)

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