今日は、まさに今日の問題を先取りした詩「最上河岸」を紹介する。以前も「民主主義の理念、平等原則に反する世襲制」で政界における世襲制を取り上げた。今回のこの詩は、政界も含めた家父長制の問題として「人間の仕事は一代かぎりのもの」なんだ、と訴えている。
最後の一行「一 人の象徴の男さえ立っている」は、世襲制の代表格のことを言っていることは明らかだ。天皇のことまで容赦をしない態度が清々しい。
子孫のために美田を買わずこんないい 一行を持っていながら男たちは美田を買うことに夢中だ血統書つきの息子たちにそっくりに残こしてやるために他人の息子なんか犬に食われろ!黒い血糊のこびりつく重たい鎖家父長制も 思えば長い(中略)人間の仕事は一代かぎりのもの伝統を受けつぎ 拡げる者はその息子とは限らないその娘とは限らない世襲を怒れあまたの村々世襲を断ち切れあらたに発ってゆく者たち無数の村々の頂点には一 人の象徴の男さえ立っている(『おんなのことば』、茨木のり子著、童話屋)
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