驚きました。本の帯広告に「護憲派vs.改憲派の/不毛な対立を越えて/ほんとうの平和を考える憲法入門講義」と書きながら、結局著者は、改憲派の立場に立って、”改憲を求めていた”からです。
「前二項の規定は、本条の目的にそった軍隊を含む組織の活動を禁止しない。」という純明快な言葉による改正を求めたいです。(『はじめての憲法』、篠田英朗著、筑摩書房、2019年、p200)と最後に言って締めくっていますが、明らかに読者を騙しています。「不毛な対立を越えて」と言ったら、普通なら、どちらの立場にも立たない第三の道が示されるからです。これでは、出版社の質が問われても仕方がありません。
結論だけでなく、途中の論理の展開にも、首を傾げたくなるようなところがありました。例えば、
英文では一項に出てくる「国権の発動としての戦争(war as a sovereign right of the nation)」という概念と二項の「war potential」が明確に結びついています。「戦争潜在力」とは、違法行為である「国権の発動としての戦争」を遂行する目的で保持する潜在力のことです。合法である自衛権を行使するための手段は、「戦争潜在力」としての「wa potential」には含まれません。
「戦争(war)」が否定されても、自衛権は否定されません。「戦争」を遂行する目的を持つ た戦争潜在力としての「戦力(war potentil)」は、「戦争」が違憲なのですから、保持することも違憲です。ただし「戦争」には自衛権が含み込まれていないため、自衛権を行使するための組織は「戦力(war potentia)」はなりません。(上同、p142)
どうですか。そもそも、”「戦争」には自衛権が含み込まれていない”ということがどういうことなのかさっばりわかりあません。その上、”自衛権を行使するための組織は「戦力(war potentia)」はなりません”っていうのも、おかしいです。戦力にならないような組織では、自衛権の役に立たないからです。
さらに言えば、「ほんとうの平和を考える憲法入門」という帯の宣伝も、はっきり言って”嘘”です。改憲したらますます「平和が遠のく」からです。騙されないようにしましょう。













