2021年2月28日日曜日

頭の中に毎日水をやろう!

 最近、昔書き留めていた書き抜きなどのノートを久しぶりに読み直している。結構いいことを書き抜いてはいるものの、中には書いた人はメモしてあるのに、書名が抜けていたりして、不十分なノートだった。しかし、メモして再読もせず、そのまま寝かせていては、宝の持ちぐされだった。
 とはいえ、こうしてブログを書くようになったり、読書を続けてこれたのも、あるいは、読み返さなかったにせよ、書き抜きをしたりメモしたりしてきたことが、少しは染み込んでいたのだろう。積読にそれなりの効果があるように、言い訳がましくなるが、メモしっぱなしでも、それなりの成果があるのかもしれない。
 歴史家・羽仁五郎さんの「私と新聞書き抜き」も、なかなかの内容だったのに、出典が記録されていなかった。羽仁五郎さんの著作集が図書館にあったのでいつか調べておきたい。
 私はこの年になるのに、いつまでも若い頭でいられるのは、新聞の切り抜きをやってきたからです。大変なことだろうとよくおっしゃる方がいるんですが、そのときには、いつもこう言います。
「カボチャでさえ、実をならせらせるためには、種をまいて、毎日水をやらなければならないのに、どうして自分の頭の実をならせるのに、毎日やるのを面倒くさがるのか」。カボチャの種は皆さん方の頭の中にあるのです。だから毎日水をやりなさい。
 私のいったことを必ず実行してください。三年くらい経ったら、まんざら羽仁の言ったことはウソではないと感じるようになるでしょう。(1980年頃に書かれたノートから)
 

2021年2月27日土曜日

目先の防衛論議に騙されてはならない

 新型コロナウイルスの世界的な大流行は、世界経済にも大きな影響を与えた。だからこそ、軍事費を抑えて、幾らかでもコロナ対策に回して!という声が少なからずあった。そうした声がなくても、自然減というのがあっていいと思っていた。しかし、結果は次の通りで、3・9%も増加していて驚いた。
 英国際戦略研究所(IISS)が25日、世界の軍事情勢を分析した年次報告書「ミリタリーバランス2021」を発表した。新型コロナウイルスの大流行で世界経済は大きな打撃を受けているが、昨年の世界の防衛費は1兆8300億ドル(約194兆2500億円)で前年から実質で3・9%増加した。
 報告書によると、最も多いのは米国で世界の防衛費の4割を占めた。(朝日新聞、2021年2月26日)
 最近『武器ビジネス・上 マネーと戦争の「最前線」』(アンドルー・ファインスタイン著、村上和久訳、原書房2015年)を読んだが、国防のために武器があるのではなく、武器ビジネスのために、国防が、戦争があるということを思い知った。だから、「武器ディーラーや兵器製造会社、さらには政府までもが、・・・・・武器を供給し、利益を得るために緊張をあおり、持続させてきた。ときには同じ紛争であらゆる側に武器を売る場合もある」(p17)、という。北朝鮮からのミサイル騒ぎで、アラートを流したりしたのも、緊張をあおったとしか考えられない。その後に、何があったか、を思い起こせば、武器ビジネスのシナリオ通りであることに気づく。目先の防衛論議に騙されてはならないと、つくづく思う。

2021年2月26日金曜日

忘れてはならない戦争の罪科

 図書館で読んできた『河北新報』 (2021年2月25日)に、安田浩一さんの「長生炭鉱事故と在日コリアン差別・戦争の罪 問い続ける」という記事があった。最後の言葉、「日本人こそ問わねばならぬ。私たちの社会に、戦争の罪科はしっかりと刻まれているのか」に、強い共感を覚えた。

 追悼式を終えた直後、海岸の堤防から沖のピーヤに向けて花を投げる女性の姿があった。柳春菜さん。福岡県で音楽活動を続ける 「ハルナユ」のボーカリストだ。血縁者が同事故で亡くなっている。追悼集会では事故をテーマにした「カヂマヨ」を歌った。日本語で「行かないで」。哀調を帯びた旋律に愛する人を失った遺族の思いが込められている。「なぜ朝鮮人がそこにいたのか。なぜ亡くなったのか。その意味を問い続けたい」
 事故から80年目の冬。一部で歴史の書き換えが進められるなか、日本人こそ問わねばならぬ。私たちの社会に、戦争の罪科はしっかりと刻まれているのか。問いを重ねたその先で、初めて犠牲者は尊敬を回復す (ノンフィクションライター)

 長生炭鉱事故については、恥ずかしい話だが最近まで知らなかった。この痛ましい事故のことを知ったのは、朝日新聞の夕刊で、強制労働の一つの事例として長生炭鉱事故を取り上げていたからである。
 引用した記事の中に「沖のピーヤに向けて花を投げる」とあったが、きっとピーヤのことは写真を見ない限りわからないと思う。それで、朝日新聞夕刊(2020年12月10日)から、ピーヤの写真と長生炭鉱事故についての説明を紹介する。

 山口県宇部市の床波海岸。白い砂浜の沖合に、2本の太い柱が立っている。「ピーヤ」と呼ばれる海底炭鉱の排気・排水筒だ。そのさらに沖の海底に、太平洋戦争中、長生(ちょうせい)炭鉱で働いていた坑内労働者183人が今も眠る。その7割強、136人は朝鮮人だった。
 海底下約30メートルの坑道で天盤が崩れたのは1942年2月3日。翌日の新聞各紙が報じた。坑道に海水がドッと入り、坑口への急勾配を登り切れずに大勢が死んだ。事故は「水非常」と呼ばれた。

 このような事実を知ると、在日コリアン差別などとんでもないことで、あってはならないと強く思う。

2021年2月25日木曜日

生命科学者の平和思想

  雑誌『家庭画報』など、読んだことがなかったのに、図書館でたまたま手にしてパラパラめくっていたら、一つの素敵な言葉に出会えた。生命科学者中村桂子さんの言葉で「生きることは時間を紡ぐこと 一秒・一分をていねいに!」(2021年3月号)と自筆の書で書かれていたのだ。
 それでは、と、バックナンバーも手に取って読んでみた。そして、中村桂子さんと、土井善晴さんの対談記事を見つけた。そこに、和食に因んだ平和思想を見つけた。
中村 和えるという言葉は、日本文化を代表していて好きなのです。和といえば平和で、みんな仲よくしましょうということです。でも世界中、ごしゃごしゃに混じることはできない。利え物は、一緒にあるけれどにんじんも大根もそれぞれの味が生かされていますね。
土井 西洋のフレンチの“混ぜる”は、マリアージュして別のものを生むこと。和えるというのは、それぞれの素材を生かして、互いに引き立て合います。日本は「混ぜない」文化なのです。お煮しめも、おすしの具も、食材を混ぜません。
(中略)
中村 願うのはやはり平和です。みんなで仲よく幸せに生きたい。(『家庭画報』、2020年1月号、世界文化社、p143)
 ここで語られている素材を人間に置き換えれば、立派な平和思想になる。一つの組織の中にあって、「それぞれの味が生かされ」るって、まさに一人ひとりの人間の尊厳があってこそだからだ。それに、「願うのはやはり平和です。みんなで仲よく幸せに生きたい」は、多くの人々の願いでもある。

2021年2月24日水曜日

人は「おめでたい空想のとりこ」になりやすい

 せっかく防水のKindleがあるんだから、と、風呂で『カラマーゾフの兄弟』を読み始めた。その場で、これはという文章に印をつけたり、ちょとした感想も書けるので便利だ。初めに印をつけたところは、裕福な家に生まれた妻アデライーダが、どうして、呑んべいで、どうしようもない父フョードルと結婚したのかを説明したところだった。
 なぜか? 
「彼女は、たとえ一瞬にせよ、たんに居候の身にすぎないフョードルが、よりよい未来へ向かう過渡の時代に生きるこのうえなく勇敢でシニカルな男性のひとりであるという、おめでたい空想のとりこになった(そのじつ、彼は腹黒い道化でしかなかったが)。おまけに、事が駆け落ちで落着するという点も刺激的で、それがいたくアデライーダの興をそそった」からだったのである。この言葉を受けて、「こういう人はいつもいる」とメモしたが、「おめでたい空想のとりこ」になって行動してしまうことは、今でも身近にもあるものだ。
 改めて気づいたことだが、無謀にも、国力で圧倒的な差があった米国と戦争を始めたのも、今に至っても核の傘に依存して世界の趨勢に背を向けているのも、「おめでたい空想のとりこ」が、大いに関与しているに違いない。この作品には、こうした人生の真実が描かれているから、名作として読み続けられているのであろう。
 それでは、人は、なぜ「おめでたい空想のとりこ」になりやすいか。どういう場合に「おめでたい空想のとりこ」になりやすいか。それも、この小説に書かれていた。「妻アデライーダがとった行動は、あきらかに他人の思想の受けうりであり、これまた、『囚われとなった思考のいらだち』の結果だった」とあるように、「他人の思想の受けうり」を続けて、自分の頭で考えないことが問題なのである。戦前と違って現在は、絶えず相反するふたつの道が示されており、どちらが良いか、どちらが真実に近いかを選ぶことができる。自分の頭で、しっかり考えて選びたいものである。

2021年2月23日火曜日

アメリカインディアンの子育て四訓

 地区の「青少協だより」に子育て四訓が紹介されていた。それは、

一つ「赤ちゃんの肌を離すな」
 赤ちゃんは親の肌の温もりで安心します。
二つ「幼児の手を離すな」
 幼児は「危ない」の言葉の意味が分からないので予想外の行動に出ます。手を離してはいけません。
三つ「子どもの目を離すな」
 家事都合、会話に夢中等で子どもから離れないように、常に子どもの目の届く位置にいることです。
四つ「少年の心を離すな」
 子どもは大きくなるにつれて、部活等の時間が増え、友達も増えてきます。そんな状況で親との心が離れてきますので、日々の挨拶の励行は欠かさずに行い、一日の出来事のひとつでも親子で会話しましょう。
 この四つだった。なかなかいいことばだったので、ネットでも調べてみた。そして、この言葉が「アメリカインディアンの子育て四訓」というものであることを知った。
(「https://www.yachiyo.ed.jp/eniikido/wp-content/uploads/2019/02/H30egao22.pdf」より)

 さらに、「アメリカンインディアンの教え」として、次のような素敵な言葉もあったので、紹介する。
批判ばかり受けて育った子は、非難ばかりします
敵意に満ちた中で育った子は、誰とでも戦います
ひやかしを受けて育った子は、はにかみやになります
ねたみを受けて育った子は、いつも悪いことをしていような気を持ちます
心が寛大な中で育った子は、がまん強くなります
励ましを受けて育った子は、自信を持ちます
ほめられる中で育った子は、いつも感謝することを知ります
公明正大な中で育った子は、正義感を持ちます
思いやりのある中で育った子は、信頼を持ちます
人にほめられる中で育った子は、自分を大切にします
仲間の愛の中で育った子は、世界に愛を見つけます(「東漸寺 | こころに響くことば」より)

2021年2月22日月曜日

地震列島に原発を林立のエネルギー政策を問う

 あの大震災から10年目に、また大きな地震が来た。眠ったばかりだったからか、慣れてしまったからか、大きな揺れを感じながらも、で寝ていた。息子からの安否確認の電話が入り、ようやくことの大きさに気づいたくらいだった。咄嗟に思ったのは、浜通りの原発施設のことだった。巨大なタンク群は、燃料プールは大丈夫だったか、と。
 この度の地震で原発の心配をしたのは、私だけではなかった。例えば朝日新聞コラムでは、次のように国のエネルギー政策まで、批判の矛先を向けていた。

「福島県沖」の速報に、10年前が重なる。改めて思う。地震列島に原発を林立させたエネルギー政策の無謀さを。(2021年2月15日朝日新聞夕刊コラム「素粒子」より)

 また、この度は震度5強だった栃木県那須町の森隆政さんは、朝日新聞の「声欄」に、「東京直下型地震や南海トラフ巨大地震が、いつ起きてもおかしくない。改めて、日本が地震国であることを思い知らされた」(2021年2月21日)と感想を寄せている。
 科学者の研究によれば、「福島県沖だけでなく、茨城県沖、岩手県沖から日本海溝のあたりまでしわ寄せが来ており、大きな地震が起きやすい状態が続いて」(『赤旗日曜版』、2021年2月21日)いるという。それでも、安全神話を信じるのだろうか。自然災害は、人間の想定をはるかに超えることを度々思い知らされているのに、どうして?と思ってしまう。





2021年2月21日日曜日

アメリカの盾「不沈空母」日本

 古い手帳を見ていたら、「異色の戦争画」として、「國之盾」をメモしてあった。大正・昭和にかけて活躍し、日本画家では唯一の従軍画家として戦地に赴いた小早川秋聲(こばやかわ・しゅうせい)(1885〜1974)の絵である。

 この絵を改めて見て、今の日本が、まさにアメリカの盾になっていることに気づいた。「アメリカの政策の道具としての日本は、・・・・イギリスと同じように据付の航空母艦として使うことができる」(『自衛隊』、星野安三郎 --著、三一書房 、1963年、p253)つまり、アメリカにとって、日本は「不沈空母」だからである。このことに早く気づくべきである。


2021年2月20日土曜日

ベストセラーになった『日本国憲法』

 ここに、40年前の「日本国憲法再読のすすめ」、という『赤旗』のコラム記事がある。この記事を再読し、ベストセラーになった『日本国憲法』の存在を知った。写楽編集部の『日本国憲法』(小学館)のことである。当時で、「六十二万部を売り、七歳の子どもから九十一歳のお年寄りまでが読ん」だというから驚きである。
 いまだに改憲という自民党の目論見が実現していないのは、『日本国憲法』がベストセラーになるほど、憲法の精神が深く国民の中に浸透してしまったからに違いないと思った。無垢な心で『日本国憲法』を読めば、必ずやその真髄を会得するであろうことが、容易に想像がつくからである。「日本国憲法再読のすすめ」は、永遠の課題であろう。

(「朝の風」『赤旗』1982年2月21日)

 日本国憲法再読のすすめ

 新聞、雑誌に年間回顧企画が目立つ。ことしの出版界をふりかえっての話題の一つは、写楽編集部の『日本国憲法』(小学館)の ベストセラー入りだろう。これまでに六十二万部を売り、七歳の子どもから九十一歳のお年寄りまでが読んでいるという。
 この本の企画・製作者島本脩三の話を『文芸春秋』(新年 特別号)の「一九八二年ベストセラーの仕掛人たち」で紹介していたが、島本の考えには共感するとこ ろが多かった。
 本書の誕生は、三十歳を過ぎ」て、自分を振り返るようになった島本が、いまの「自分をつくったのは何か」を探しはじめたところからはじまる。四年間考えつづけ、五十五年の夏の一夜、それは法だ。と、はたと気づいた島本は、「はたして、おれは憲法を読んでいるか」と自問自答する。「学生時代、感法の時間はあったが、自分のリアリティや毎日の暮らしを決めていたものとして憲法を読んだことがない」。なぜか —— これが本に結びついた。
 「読みやすい、おれでも読む気になるような本があれば、みんな読むだろう」。このあと企画を会社に持ちだすのだが、そのときの島本の思いがいい。「(会社の上層部から)読者層はときかれて、島本氏はよほど『一億一千万の日本人全部です」と答えようと思った」という。
 憲法が「毎日の暮らしを決め」ているもので、読者は「一億一千万の日本人全部」という大島の考えは、国民にとって憲法のもつ意味を正当にいいあてていると思う。編集の工夫ということはもちろんあるが、『日本国憲法』のベストセラーということは、けっして偶然ではない。 
 『日本国憲法』を読んだ十四歳の中学生の感想にいまの政治が、「この日本国憲法に基づいておこなわれたらもっとよくなると思います」とあった。改憲論者中曾根首相登場の今日、日本国憲法を「毎日の暮らしをきめる」ものとして改めて読みかえしてみたいものだ。(林)

2021年2月19日金曜日

被災地にピアノを送り続けているピアニスト

 今朝(2021年2月19日)のニュースで、ホットな話題が放送された。10年前の大震災で被災した人たちにピアノを送り続けているピアニスト西村由紀江さんのことだ。これまで、62台ものピアノを被災地に送っている。


 西村さんがピアノを送りたいと思ったきっかけは、一人の少女の一言、取り戻したいものは?という問いに答えた”ピアノ”の一言だったという。


 西村さんは、ピアノを送り届けながら、被災地の家庭の中で、そのピアノを演奏して励まし続けている。ホットで心温まる話である。


2021年2月18日木曜日

このままで僕たちは生存可能なのか

 青木理さんへのインタビュー記事「震災から10年、政治が加速させた『喪失』」(朝日新聞デジタル・2021年2月17日)を読んだ。タイトルにした「このままで僕たちは生存可能なのか」という言葉が、現実味を帯びて胸に突き刺さってきた。

 戦後七十数年が経ち、この国の閉塞(へいそく)感の原因、直面する諸問題はほぼ明らかなわけです。少子化や高齢化が進み、縮小する人口は大都市に集中して地方は疲弊している。そして財政状況も悪化の一途をたどるなか、医療や各種の社会保障は果たして持続可能なのか。失われた何十年などと称される長期の景気低迷が続き、産業的にもイノベーションが起きなくなったのはなぜか。これは日本に限った話ではありませんが、地球規模の気候変動が加速し、自然災害が各地で続発し、このままで僕たちは生存可能なのか。

 と。しかし、明確な課題も明らかにされ、心地よかった。問題は、明確にされた課題を実行できるかどうかである。今の政権にその気がないなら、明確にされた課題を実行できる精力を選ぶ以外に選択肢はない。インタビューでは、そこまで踏み込んでいないのが残念だった。
 例えば少子化対策は、

 震災があらわにしたものを含め、どれも一朝一夕には解決不能な難題ばかりですが、たとえば少子化に関しては個人の生き方の多様性が欠かせないと僕は思います。さまざまな家族や出産、子育ての形を受け止め、広く推奨し、政治や社会が可能な限り支援していく。
 なのに安倍政権は「一億総活躍社会」とか「女性が輝く社会」などというスローガンは掲げても、実際は「伝統的家族」などというカビの生えた妄想に固執し、選択的夫婦別姓制すら頑として認めない。彼らにとっては復古的な「国の形」が重要なのでしょうが、そんなものに押し込めようとすれば女性は結婚したがらなくなるし、ひとり親などの子育てはますます苦しくなり、社会でも「活躍」などできるはずがない。
 将来が見通せなければ社会が閉塞(へいそく)し、不安や焦燥が広がるのは当然です。
 国際関係についても次のように、的確に本質的な問題提起をしている。

 国際関係もそう。たとえば韓国とはいまだに歴史問題でいがみあっている。でも、安倍政権が主張してきた拉致問題の解決を北朝鮮と向き合って本気で動かそうとすれば、日韓がいがみあって何の得もありません。韓国側にももちろん問題はあるにせよ、ゆがんだ歴史観を振りかざして関係を悪化させるばかり。一方で世界が眉をひそめた米国の特異な前政権にはひたすら媚(こ)びを売る。なにもかも倒錯しています。

 少子化対策にせよ、外交問題にせよ、政府にその気がないなら、要は、やる気のある野党が力を合わせて政権交代を目指すしかないのだ。そこまで踏み込んで欲しかった。

2021年2月17日水曜日

融通無礙(むげ)の曼茶羅

 弘法大師空海と言えば、歴史上の人物である。当然、その教えも仏教の般若心経に比べて、あまり注目されることもない。第一、空海の代表的な書物さえわからない。それくらいだから、空海が唐に渡って学んできた密教を専門に学ぶ大学の学科(高野山大学 文学部密教学科)があることを知って驚いた。朝日新聞 EduA・42号を読んで知ったことである。

 密教には「融通無礙(むげ)の曼茶羅(まんだら)』という世界観があります。この世に存在するものすべてに価値があり、生きとし生けるものは、無限のネットワークによって結びつき、その関係性の中で互いに生かされているという考えです。(朝日新聞EduA 42号)

 こんな、西洋で生まれた自然法に近い概念があって驚いたが、それだけでなく、そこには、自然法よりもなんとなく進んだ深い概念があるような感じがした。自然法では、どちらかと言えば「個」としての存在に対する概念であるのに対し密教では、他者との関係性も含めた概念であるという点である。
 また大学では、

 空海の著作『即身成仏義』を1年かけて精読します。仏とは悟りを開いているだけでなく、迷い苦しんでいる人々を導き救おうとする存在。私たちは今この瞬間に、この身のままでそうした存在になることができるというのが空海の唱えた『即身成仏』です。密教のエッセンスが詰まったこの本は、現代を生きる人にも一つの指針となりえます。朝日新聞EduA 42号)

 素晴らしい。 コロナ禍の中で、改めて空海の思想が見直されるべきかもしれない。

 

2021年2月16日火曜日

武器ビジネスこそ「諸悪の根源」

  国際武器取引の実態を暴いたドキュメンタリー映画「シャドー・ディール 武器ビジネスの闇」(ヨハン・グリモンプレ監督、アンドルー・ファインスタイン原作)の紹介を読んだ。この映画は、「武器ビジネスが、政治を腐敗させ、市民が武器の犠牲になっている実態を告発し」、「武器を売買する国の双方で法の支配や民主主義が内側から崩壊していくことを示し」ている、という。このような実態を知るにつれ、机上の防衛論議が空々しく思えてくる。詳しくは原作『武器ビジネス:マネーと戦争の「最前線」』(邦訳、原書房)を読めばいいが、イージスシステムなどの取引にも深く関与していることも、容易に想像がつく。ひょっとしたら、武器ビジネスこそ諸悪の根源かもしれない。

2021年2月15日月曜日

平和な世界が約束される条件

 NHKの教育テレビ放送()の「植物に学ぶ生存戦略 話す人・山田孝之」という番組をよく見る。
 チューリップを取り上げた2021年2月11日放送とき、解説の後に「チューリップの歌」を歌い、歌い終わった後に、この歌詞に込められた「作詞家・近藤宮子さんの思いを語ってくれた。その思いが素晴らしかったので、文字に起こして紹介する。

(NHK2「植物に学ぶ生存戦略 話す人・山田孝之」より)
 いろんな色のチューリップがあるように、世界にはいろんな人たちがいます。そして、どのような色のチューリップがキレイなように、どんな人にもキレイなところがあります。だれかのあげ足をとったり、あら捜しをしたりするのではなく、お互いのキレイなところを認め合える世の中になれば、生きていて楽しい人生が待っていると思います。
 ここで、人を国に変えてみる。すると次のようになる。
 いろんな色のチューリップがあるように、世界にはいろんな国々があります。そして、どのような色のチューリップがキレイなように、どんな国にもキレイなところがあります。どこかの国のあげ足をとったり、どこかの国を敵視したりするのではなく、お互いのキレイなところを認め合える世の中になれば、きっと平和な世界が約束されると思います。
 こんな思いで「チューリップの歌」を聞くと、改めてこの歌の素晴らしさがわかるような気がする。

           

2021年2月14日日曜日

マルクスによるカントの評価は?

 いや、また、すごい地震だった。10年目でこんな地震がくるなんて、予想もしなかった。地中に眠っていたゴジラがちょっと寝帰りした感じで、目が覚めないことを祈るだけだ。映画のゴジラを見ているので、そんなことを想像してしまった。
 朝起きてみたら、実害はなかったものの、本棚最上段の本が二十冊ほど散乱して落ちていた。その中に、一部取っておいた『マルクス・エンゲルス全集』があって、片付けながら、気になるところをパラパラ読んで、思わぬ発見をした。
 一つは、46ページくらいの、「『資本論1巻』要綱」『マルクス・エンゲルス全集16巻』を見つけたこと、これくらいなら読めそうなので、と読む気になった。『人新世の「資本論」』が話題になってもいるので、ちょうど良い機会かもしれない。
 もう一つは、1857年7月〜1860年11月頃、「プロレタリア運動と民主主義運動の復活が始まったときに書かれた」(『マルクス・エンゲルス全集14巻』、pⅪ)一連の論文に「砲兵」「焼夷弾」「歩兵」と言った論文もあって、それらを読んでも、戦術的な観点で書かれているだけで、歩兵のからの観点、焼夷弾を落とされる側からの観点が抜けているのが気になった。例えば「歩兵」では、「歴史上の最も重要な戦術的な特徴だけに限る」(エンゲルス著、p316)だけで、「兵士は、・・・他者(国家)が自由に使うことのできる機械や道具として人間を使用するということ」(『永遠平和のために』、カント著、光文社古典新訳文庫、p153)といったカントの視点が抜けていた。
 『永遠平和のために』が出版されたのは1795年である。マルクスも、エンゲルスも、こうしたカントの業績は知っていたはずなのに、どうして、カントの人間的な業績を取り入れられなかったか、わからない。 

2021年2月13日土曜日

「孤独」担当相を新設

「孤独」担当相を新設したという記事を読み、複雑な気持ちになった。何か違うんじゃないか、という思いと、それだけ人間関係が希薄になっているのだろうか、という思いが錯綜しているからだ。孤独死や引きこもりの問題も視野に入っているようだが、どちらも、政治的貧困に根本的な要因があることは間違いない。そこまで掘り下げることなく、担当相を置けばいいというものではない。
 ちょうど今、『人を”資源”と読んでいいのか』を呼んだばかりだが、戦後70年も過ぎたのに、未だに「人を”資源”と読んで憚らない」人たちが政権中枢にいて驚いたが、そうして人間尊重に背をむけている限り、「孤独」担当相を新設しても、真の解決には至らないであろう。
 確かに、三密を避けようと、物理的な接触機会が減れば、それだけ親密さが薄れかねないのは事実であろう。それならば、無症状の新型コロナ感染者を発掘するなど、感染者の流行を抑え込む「新型コロナ対策に全力をあげる」ことこそ、孤独死や自殺者を減らす切り札になるに違いない。

2021年2月12日金曜日

成熟してきた日本における民主主義

  とうとう森会長が辞任した。これは、日本における民主主義が成熟してきている証でないか、と思った。しかし、「特に最上位スポンサーからの反発が強い」ことが大きな要因という新聞記事を読み、私の評価は間違っていたか、と少し落ち込んだ。

 8日夕。森会長は東京・晴海の組織委で遠藤利明副会長、武藤敏郎事務総長とともに、国際オリンピック委員会(IOC)で東京大会の準備状況を監督する責任者、ジョン・コーツ副会長とのテレビ電話会談に臨んだ。
 IOCは4日の記者会見後、「これでIOCはこの問題は終了と考えている」とコメントしていた。しかし、コーツ氏の森会長への態度は、コメントとはかけ離れたものだった。
 「特に最上位スポンサーからの反発が強い」
 コーツ氏は森会長に、厳しい口調で直言した。盟友として公私ともに良好な関係を築いてきたと自任するコーツ氏の態度に、森会長は肩を落とした。(朝日新聞、2021年2月11日)
 だがしかし、スポンサーを動かした人たちがいた。やはり、日本における民主主義は、それだけ成熟してきたと見ていいのではないだろうか。

 共同通信によると、海外に本社を置くメーカーは組織委に「(消費者から)『不買運動をする』と申し出があった」と苦境を訴えたというから深刻だ。ツイッターには〈(森会長の発言を)容認するような企業に対しては不買運動くらいしないと〉〈五輪スポンサー企業商品不買運動始めます〉といった投稿が続々。このまま森氏が組織委会長に居座ることを静観していると、スポンサー企業にとって大打撃になりかねない状況なのだ。(日刊ゲンダイ「https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/285070/2」より)


2021年2月11日木曜日

従属関係は解消して対等平等の友好関係を

 またか、という思いで、「沖縄、米軍機が低空飛行訓練 昨年末から頻発 県、再び抗議へ」という記事を読んだ。

「沖縄本島の最北端にある辺戸岬で低空飛行する大型の米軍機=4日午後1時すぎ、
沖縄県国頭村、嘉陽宗幸さん撮影」(2月11日・朝日新聞より)

 沖縄本島最北端の景勝地「辺戸(へど)岬」(国頭村)で4日、米軍機の低空飛行訓練を住民が確認した。県内では昨年末以降、慶良間諸島(渡嘉敷村、座間味村)でも同様の訓練が相次ぎ、県が抗議したばかり。県議会は10日、臨時の米軍基地関係特別委員会を開き、駐日米大使や在日米軍司令官らに対し低空飛行訓練の即時中止などを求める抗議決議案をまとめた。本会議に提案し、可決される見込み。(朝日新聞、2021年2月11日)

 何度、抗議決議案を可決したのであろうか。また無視されるに違いない。地位協定があるから、仕方がない、という意見が大勢を占めるのが目に見えている。そこから、「地位協定が問題だ」ということになる。
 しかし、「地位協定は問題だ」が強調されていくと、地位協定の根本原因である安保条約が肯定されてしまう危険性に発展しかねない。もういい加減、従属関係は解消して、対等平等の友好関係を築く方向に舵を切るべきである。

2021年2月10日水曜日

二一世紀は「共生、共存、協調」で

  前に紹介した『沖縄・読谷村の挑戦』(山内徳信・水島朝穂編、岩波書店 、1997年)のまとめの章は「沖縄の村から未来が見えてくる」だった。そこには、二一世紀の未来像が、次のように簡潔に描かれていた。

 敗戦後に生まれた日本国憲法。この憲法は世界のどの憲法にもない、最も進んだ平和主義を持っている。戦争と暴力の世紀だった二〇世紀を反省して、二一世紀は、みんなが共生、共存、協調でいこうという点で一致すると思う。その方向を指し示しているのが日本国憲法なのです。だから、この憲法を大事にしたい。読谷村でもこれをさらに活かしていきたいと思うのです。
「ベルリンの壁」が崩れましたが、同時に世界中の国境も崩れはじめたのです。人もモノも情報も国境を越えていく。自分の国のことだけ考える国益中心の時代は終わったのです。私たちは一〇年、二〇年単位でものを見るのではなく、五〇年、一〇〇年単位で先を見ておかなければいけないと思う。今の環境問題、あるいは自然破壊の問題など、国を越えた大きな課題です。地球を破壊させてはならない。美しい緑の地球を守っていく必要がある。読谷村の村づくりの基本理念は、「人間性豊かな環境・文化村」ですが、この理念は普遍的なものです。「地球のなかの一つの村」として、読谷村は今後も「こだわりの村づくり」をしてまいりたい。(『沖縄・読谷村の挑戦』、p61、強調は引用者による)

 日本における国際リニアコライダー(ILC)計画が注目されているようだが、その計画は、世界49ヵ国も一緒にやってきたという。科学の世界では、「共生、共存、協調」を先取りしているようだ。素晴らしい!
 と同時に、戦争だけでなく、戦争の準備そのものも、科学の進歩にとって妨げになることがよくわかる。
 この大型施設(ILC)の大きな目標は二つ。一つは「母なる」暗黒物質を探すこと。もう一つは「空気のような」ヒッグス粒子の実体を詳しくつかむこと。どちらも私たちのルーツを探す旅だ。
 当然こうした目標は世界共通だ。設計段階から、世界49カ国・地域が一緒にやってきた。(2021年2月10日朝日新聞「村山斉の時空自在」より)
(2021年2月10日朝日新聞「村山斉の時空自在」より)


2021年2月9日火曜日

日本の生き残る唯一の道

 最近読んだ『自衛隊』(星野安三郎著、三一書房、1963年)に、日本国憲法が制定された昭和22年当時の、自信と誇りに満ちた生き生きとした姿と、その後の「自信と誇り」が揺らぎ出した頃のことが簡潔に書かれていた。

 この憲法によって、世界の歴史上はじめて、人的力、物的富のすべてを、戦争や軍備に使うことを強制されなくなり、自由で豊かで平和な社会の建設にだけ使うことを保障され、平和は武力によらず、平和を欲するすべての国民と協力して守ることをきめたことによって、まさに、軍備全廃の時代にはじめて人類が享有できる生活を、世界にさきがけて行なうことが可能となったのである。このような戦争放棄と軍備禁止の第九条と平和憲法の意義については、憲法制定当時の国会論議、さらに文部省の憲法のはなし、新聞論調などに強調されており、それこそが、日本の生き残る唯一の道であり、世界に誇る所以だと、自信と誇りをもって語られていたのである。
 この平和憲法は、二二年五月三日施行されるが、僅か半年後に、その方向はぐらつき出してきた。それは、二三年一月六日、アメリカのロイヤル陸軍長官によって、対日政策の転換声明が出されたからである。すなわち、アメリカにとって、重要な植民地市場の喪失を意味する中国の独立の可能性が高まったことに対応して、対日政策を初期の非軍事化から強力な反共防波堤に作りかえるよう政策を転換するという声明であった。(『自衛隊』、p225、下線は引用者による)
 例によって、星野安三郎で検索し、『吉川経夫著作選集  第5巻』を見つけた。「松川判決の教訓」など、興味ある論考もあって吉川さんがどんな思想の持ち主か、楽しみである。これこそ「類は類を呼ぶ」だから、星野安三郎さんのような素晴らしい思想の持ち主であろう、と予想して楽しみにしている

タイトル吉川経夫著作選集  第5巻
著者吉川経夫著
出版者法律文化社
出版年2001.6
タイトル著者名ページ
刑事裁判における事実の証明
期待可能性理論の動向
期待可能性の理論をめぐる最近の判例について
松川現地調査に参加して
全逓・都教組事件における被疑者の勾留却下の裁判
砂川判決の問題点
不信感を裏書きした判決
検察官は被告に有利な証拠をみせなくてもよいか
東京地裁刑事第一四部への疑問
安保裁判の一年
松川判決の教訓
「ポポロ事件判決」批判
学説・判例刑法案内
予防検束の復活
凶器準備集合罪
白鳥決定
飯田橋事件
中止未遂
おとり捜査
納金スト
ビラの貼付は器物の損壊にあたるか
「日の丸」強制掲揚に対する抗議行動と可罰的違法性
大学の自治と学生の権利
税務職員による質問検査権行使の限界と公務執行妨害罪の成否
盗犯等防止法一条一項の正当防衛といわゆる相当性の要件
判例における違法性の諸問題
人権無視の裁判正木 ひろし/対談
日本の裁判鎌形 寛之/ほか鼎談
恵庭判決/ほか座談
恵庭判決をめぐる諸問題池田 政章/ほか座談

2021年2月8日月曜日

空から突然何かが降ってくる恐怖

『沖縄・読谷村の挑戦」(山内徳信・水島朝穂編、岩波書店 、1997年)を読んだ。読後感は、「知らなかった」で、いいのだろうか?ということだ。
 戦闘機の墜落は論外として、空から戦闘機の部品が落下することまでは知っていた。しかし、過去のこととはいえ、人が落ちてくることまでは知らなかった。パラシュート降下訓練中に、目標地点から外れ、空から突然、生活圏に米兵が落ちてきたというから驚く。
 写真にあるように、1965年6月,トレーラーの落下で幼い少女が圧殺されたという。トレーラーまでパラシュートで落下させたのだろうか。これが、米軍の、日米安保条約の実態である。日本人として、こうした事実に、きちんと向き合い、現実に苦しんできた人たち、現に苦しんでいる人たちに思いを馳せることが必要ではないだろうか。

水島:トリイ・ステーションの第一特殊部隊群第一大隊(グリーソレー)の九一年会計年度報告書によると、接近戦闘からスキューバ潜水訓練、爆破工作など実にいろいろな訓練をやっていることがわかります。その中に「軍事自由落下訓練」というのがある。これがパラシュート降下訓練でしょう。
山内:そうです。ここは飛行場というよりも、むしろパラシュート降下訓練場として使われてきました。
水島:四〇〇〇メートルから降下して、低いところでパラシュートを開く。米軍用語で「高高度低開傘降下(HALO)」。グリーンベレーの訓練は非常に実戦的ですね。でも、失敗すると訓練施設の外に飛び出す
山内:とにかくたくさんの事故が起きています。普通のパラシュート訓練は、飛行場の半径五〇〇メートルのターゲット内に落ちてこなければいけないのですが、風に流されたりして、住民の生活圏内に落ちてくるわけです。
 たとえば、一九六五年六月の棚原隆子ちゃん事件は悲惨でした。小学四年生の隆子ちゃんは、自宅庭先で、降下してきた米軍トレーラーに押しつぶされました。圧死です。また、古堅小学校では、ハー年九月、二学期最初の全体朝会場を横切って米兵が落ちてきた。子どもたちの頭をかすめて。校長やPTA会長をはじめ、各団体代表みんなで、外務省や米大使館まで抗議に行ぎました。
 とにかくいろいみなものが生活をしているところに落ちてくる。角材が屋根をぶち抜き、七キロの鉛のかたまりが玄関前に落ちてくる。ドラム缶数個が空から降ってくる。耕作中の農民の目の前に米兵が落ちてきて、畑を踏み荒らす。昨年までこんなことがずっと続いたのです。役場が建ってから、米軍は一回だけやりたいと言ってきたので、「常識があるならば、常識的に判断せよ」と答えさせた。結局やらなくなりましたね。
水島:騒音、事故、環境汚染、米兵犯罪など、基地被害にもさまざまな種類がありますが、生活の場に空から突然何かが降ってくるというのは日常的恐怖ですね。資料によると、七九年から九六年までの一八年間に、一八六回六八七七人が降下しています。八八年が一番多くて、三八回一四〇三人です。この年の事故が三件と近年で一番多いですね。(p9〜10、強調は引用者による)

2021年2月7日日曜日

国民に背(銃口)を向ける軍隊

  2月1日、東南アジアのミャンマーで国軍がクーデターを起こした。1年間の非常事態を宣言し、立法、行政、司法の権限が軍最高司令官に委譲された。こうした暴挙に、非難が高まっている。朝日新聞社説(2021年2月2日)も、「ミャンマー 民主化覆す軍の暴挙だ」と批判している。主な批判は次の通り。

・民意を踏みにじる暴挙である。日本を含む国際社会はあらゆる外交努力を尽くし、軍の権力奪取を撤回させるべきだ
・昨年秋の総選挙後初の国会が開かれ、新たな政府の顔ぶれを決めるはずだった。その手続きが国軍の独断によって覆された。断じて認めることはできない。
・日本も民主化の後退を座視せぬ決意を強く打ち出し、国軍への説得に動くべきだ。(強調は引用者による)

 しかし、ミャンマーの国軍によるクーデターで最も重要な点は、軍隊は民主主義や国民に背(銃口)を向ける存在である、と、白日の下に晒したことであろう。9条を改変し、自衛隊を軍隊に位置付けるということが、いかに危険なことかを、国軍によるクーデターから学ばなくてはならない。

2021年2月6日土曜日

安倍―菅一味による国の破壊を早急に止めて!

 コロナ禍の渦中で起きた東京五輪・パラリンピック大会組織委員会・森喜朗会長の女性蔑視発言をめぐり、政府も窮地に追いやられている。このような状態で総選挙になれば、と期待はするが、野党共闘に楔を入れる勢力が力を発揮きしている限り、混迷を深めるばかりで展望は望めない。だからこそ、日刊ゲンダイの記事「立憲民主党は身近な敵と戦え 敵は党内ボンクラと支持母体」(http://c.bme.jp/68/314/5182/104084)は、的を得た、優れた記事だった。こうした声が、どれだけ多くの国民に伝えられるか、が、これからの課題だと思う。

 立憲民主と共産の候補者が競合している選挙区は60以上。候補者を一本化すれば与野党が逆転するところも少なくない。
 最大の障害は、政策や理念が違う共産とは組めないなどと言い出す党内のボンクラと支持母体の連合だろう。連合会長の神津里季生は「(共産党を)応援することはまずあり得ない。野党連合政権は目指す国家像が違う以上、これもあり得ない」と発言。
 アホか。こうした寝ぼけたことを言っているから、政権が取れないのだ。立憲民主の描く「国家像」などどうでもいい。今必要なのは安倍―菅一味による国の破壊を早急に止めることだ。枝野は「日本の政治が機能していないことで命が失われている」と言う。だとしたら、自公政権を間接的にアシストしている身近なところにいる敵と戦え。
 共通政策がどうこう言うのもアホ。今回は救国連立内閣として、徹底した新型コロナ対策(補償の拡大)と、一連の安倍晋三事件の闇を明らかにすることを訴えればいい。(「http://c.bme.jp/68/314/5182/104084」より)

2021年2月5日金曜日

読みたい本の見つけ方

 著書に書かれた内容に感動したときは、その著者の本を検索して読みたい本を探していることは前に書いた。今度は、書かれている文章そのものに感動し、その著者の本を検索してみた。その文章というのが、

 立体的な空間の中で、本同士が増殖する神経細胞のようにつながりあっていく、あるいは小さな生態系が形成されていくことにも似た事象を、私たちは日々体験している。本を整理し配架する作業は、生態系の比喩を用いるなら、庭師が植物を植え付け、花粉を媒介する虫を呼び込み、鳥が落とした種の芽吹きを見守リ、霜を避け……といった作業によく似ている。(橋本麻里著「本と暮らす日々」『芸術新潮』2020年6月号)
 断捨離が流行り、蔵書さえその対象にされつつある中で、本そのものを一つの神経細胞に喩えて大切にしていることが、とても新鮮な発想で勇気をいただいた。このようなわかりやすい文章を書く著者の、他の本も読んでみたい、そう思って見つけた本が、『橋本麻里の美術でたどる日本の歴史 古代』(汐文社、中国・朝鮮半島の影響を受けながら時代とともに様式を変化させ、豊かに発展してきた日本美術を、作品を生み出す原動力となった歴史の流れとともに紹介する。古代では、縄文・弥生・古墳・飛鳥・奈良・平安時代を取り上げる)と、『驚くべき日本美術』(山下裕二・橋本麻里著、知のトレッキング叢書、集英社インターナショナル)。
 今度は、『驚くべき日本美術』の「知のトレッキング叢書」が気になり、「知のトレッキング叢書」を検索し、読みたい本を探す。そうして見つけたのが、『「サル化」する人間社会』(山極寿一著、知のトレッキング叢書、集英社インターナショナル、なぜ家族は必要なのか? 人間社会は、「勝ち負け」のないゴリラ社会と「優劣重視」のサル社会のどちらへ向かうのか? 霊長類の社会を研究してきた著者が、彼らからのメッセージをひもとき、人類の秘密の一端を解き明かす)。図書館の検索結果には、内容紹介もあって(ない本もあるが)便利に使わせてもらっている。

2021年2月4日木曜日

耐え残った「被爆ピアノ」

  1台の「被爆ピアノ」(広島市の平和公園の一角に展示されている)の存在を初めて知った。被爆ピアノらしく、その側面には無数の傷痕が残り、飛び散ったガラス片が今も突き刺さっていて生々しい。

ピアノと日記が語るものは | NHKニュース」より

 ピアノの持ち主は、河本明子さんという方で、学徒動員中だった明子さんは、爆心地からおよそ1キロの場所で被爆し、なんとか自宅にたどりついたものの、翌日、両親のもとで息を引き取っている。
 「核兵器禁止条約」は、1月22日に発効した。史上初めて核兵器の開発や使用などを全面的に禁じる内容だ。だが、日本政府は批准していない。「核兵器禁止条約」について考えるときは、一緒に、こうした一人一人の生々しい人生にまで想いを寄せることの重要性を痛感した。

 ピアノと日記が語るものは | NHKニュースで、明子さんと「明子さんのピアノ」の物語をわかりやすくまとめて紹介されている。
 さらに、岩波ブックレット『明子のピアノ 被爆をこえて奏で継ぐ』が出版されており、藤倉 大作曲の、ピアノ協奏曲第4番「Akiko’s Piano」 という曲まであった。「Akiko's piano | 明子さんの被爆ピアノ | HOPEプロジェクト」では、演奏のYouTubeも紹介されている。



2021年2月3日水曜日

「滅びゆく愚かさ」とは

 谷口江里也さんによる画家ゴヤの解説が素晴らしかったので、谷口江里也さんの著書を検索して何冊か読んだ。その中の一冊が『寓話』で、そこに次のように書かれていた。

「私」の主な関心は、新たな価値やそれを支える知恵とは何か、人間として変わらぬ価値や知恵とは何か、あるいは滅びゆく愚かさとは何か、といったことにあった。

 ここで言われている「新たな価値」や「人間として変わらぬ価値」は、国民主権とか、基本的人権など、日本国憲法に守られている思想であろう。「滅びゆく愚かさ」とは、軍国主義といった戦前に日本で支配的な思想であろう。と、ここまでは分かった。
 しかし、「それを支える知恵とは何か」となると、よくわからなかった。とはいえ、一つだけはっきり分かったことがある。「滅びゆく愚かさ」というものを、もっともっと明らかにしていくこと。それらが今も根強く姿を変えて残っていることを明らかにしていくことである。

2021年2月2日火曜日

人類の持つ最高の宝

《猫》 1966年 宮城県美術館蔵 

猫の絵は今や猫を描いた日本絵画の最高傑作とまでいわれている。
愛猫が美しい毛並みをみせて心地よさげに丸まる初秋の日々。
愛猫の寝息が聞こえてくるようだ。

 最近、”人類”という言葉に、すぐ反応してしまう。当然の如く美術館で出会った「人類の持つ最高の宝」という言葉に反応した。美術史が、その言葉を証明している。この宝が素晴らしいほど、そうした宝も容赦なく破壊してしまう『戦争』に嫌悪感を抱いてしまう。だからこそ、戦争を準備する軍事基地建設に反対する。


長谷川潾二郎 未定稿「絵画について」より

小さい物を大きい物と変わりない気持ちで描く。
よい画はその周囲をよい匂いで染める。
よい画は絶えずよい匂いを発散する。
匂い、それは人間の魂の匂いだ。
人間の美しい魂の匂い、それが人類の持つ最高の宝である。 (長谷川潾二郎 未定稿「絵画について」より)

2021年2月1日月曜日

人は心が原動力だから!

 五歳の孫に触発されて、話題の『鬼滅の刃』(ノベライズ版)を読み始めたことは、前にも書いた。結構いいことが書いてあり、続きも楽しみになってきた。主な気になった言葉は次の通り。

 恐怖でがんじがらめに縛りつけることを、家族の”きずな”とは言わない!!その根本的な心得ちがいを正さなければ、お前の欲しいものは気に入らないぞ!!

努力は日々の積み重ねだ。少しずつでいい、前に進め!!

深く呼吸して、指先まで空気をめぐらせる。

瞑想は集中力が上がるんだ。

鬼と仲良くする夢です。

 鬼は——嘘ばかり言う。自分の保身のため・・・理性をなくし、むき出しの本能のまま・・・人を殺す(こんな言葉に出会うと、政治家にも・・・と思ってしまう)

 そして、今日読んだところに「がんばれ! 人は心が原動力だから! 心はどこまでも強くなれる!!」とあった。心身医学、心身一如 という言葉があるように、心を強く鍛えることで、体も壮健になっていくのかもしれない。