食事や水分は、多少は我慢できます。意識的に絶食することもあるくらいです。しかし、呼吸だけは、生きている限り休むわけにはいきません。その呼吸は、ほとんど無意識に行われており、普段は忘れています。その呼吸を意識化し。深い呼吸をするようにすることが、健康を維持していく上で、とても重要だったのです。その要点がコンパクトにまとめられていた(注)ので紹介します。 (注)呼吸はいたずらに回数を増やせばいいというものでありません。やり方が大事です。その基不は、吸う息よりも吐く息が大事だということです。
吐く息を強く、長くすることです。吐く息を強くすると丹田、下腹におのずから力が入り、そうすると元気や勇気が出、気持ちも落ち着いてきます。
泣いている時や悲しい時は、吸う息ばかり強くなって、しゃくりあげます。これでは丹田に力が入りません。反対に笑っている時には、吐く息が強くなっています。
この点を意識して呼吸をすることが、健康の秘訣です。
呼吸は肺だけでやっているのではありません。胸、腹、背中、腰など六十からの呼吸筋全体が、伸びたり縮んだりして呼吸が行なわれるのです。だから
深呼吸は、連鎖的に他の自律神経に刺激を与え、内臓全体を丈夫にする結果にもなるのです。歌を歌ったり、謡曲をうなったりすることが健康にいいのは、吐く息が長くなるからです。坊さんに長命が多いのは、お経を読むことで吐く息が長くなっているからです。
深呼吸は精神神面にも有効です。
禅が深く長い呼吸を重視しているのは精神統一のためです。呼吸を変えれば心の状態も変わります。静かに長い呼吸をすれば、自信がわいて積極的になります。だからこれから仕事をするという時には、深呼吸をやってみることです。
1日のうちでいちぽん深い呼吸をするのは寝ているときです。快眠が健康の要素にあげられる理由です。寝ている時は無意識に深い呼吸になっていますから、
その引き金になるように、寝入りばなに、意識的に深い呼吸をする習慣をつけることです。また起きている間、全精力を集中して仕事に打ち込んでいれば、いやでも深い呼吸の睡眠になります。鶏と卵の関係ということです。
深呼吸法の要領は、鼻から吸って、二十秒ぐらい呼吸をとめ、つぎにゆっくり口から吐くことです。これを三回ほど繰り返すと、野生動物が走り回って餌を追い求めるのと同じほど効果があります。(『大本と私の宗教観』、竹井博友著、竹井出版、1984年、p102~103、強調は引用者)