国民はいまの憲法が時代に合わないから変えたほうがいいと言う自由はあります。しかし、現行の憲法の下で選ばれている政治家、国会議員は憲法に定められた身分にしたがって活動するわけですから、その活動のなかで現行の憲法を変えようという活動をするのは間違っています。つまり、国会議員としての活動をする上では憲法を遵守する義務があるからです。しかし選挙に際して国会議員でない身分、立候補者として、たとえば「私は憲法を変えます」と主張して有権者に選択を仰いだ結果、そういう立場の国会議員が三分の二を越えたとしたら、国会でそういう議論をするのは結構ですが、そうでなく、国会議員の立場で改憲を主張するのはおかしな話です。もっとおかしいのは選挙でそのことを主張せず、有権者に選択を問わず、選ばれたから「白紙委任」されたといって勝手なことをすることです。そういう意味で国会議員がどこまで「自分は代議員だ」という自覚を持っているのか疑問です。本来、政治は直接民主主義が理想です。しかし時間的、物理的にそれを行うことは不可能なので、代議員に付託するという間接民主制をとっているのです。その趣旨からいえば、もし、違う考えがあれば、選挙のとき に主張し、選択を求めるべきです。それが政治家に求められる姿勢です。
しかし、いまの政治家、国会議員のほとんどは私人という立場と、公人として憲法の規定に基づいて担っていくべき立場が何であるかという区別がきていません。このことが、いまの憲 法の求める国会議員のあり方からみて、一番の問題ではないでしょうか。小林良彰著「憲法は政治家に何を課しているか」『法学セミナー』2000年8月号、p59)
ここで言っている「私人という立場と、公人として憲法の規定に基づいて担っていくべき立場が何であるかという区別がきて」いないということ、こうした議員モラルが常態化しているから、森友問題といった国有財産の私物化問題など、お金に関する疑惑が絶えないのかもしれない。
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