2021年8月14日土曜日

圧倒的にアンフェアな東京五輪

 東京五輪が終わり、新型コロナウイルスが猛威をふるっている。東京五輪が原因の一端であることは明らかだ。それでも、マスコミの五輪報道は異常としか言えなかった。その異常ぶりの実態がわかった。国ごとのメダル数が報道され、日本のメダル数を自慢げに報道されてきたが、そのことになんの違和感も感じなかった。
 しかし、五輪憲章に「国ごとの世界ランキングを作成してはならない」(第5章の57)と定められているのを知って、報道の異常さを思い知った。そう言えば、五輪参加人数は国によって違う。国によって選手の人数が違うのだから、「国ごとの世界ランキング」は意味をなさない。あえて作成すれば、全くフェアではない。参加人数が少なければメダル数も少ないことは当たり前だからだ。錯乱五輪とはよく言ったものだが、マスコミに、そうした視点が欠けている。だから、国ごとの世界ランキングを作成して得意になっているではないか。
 もともと、新型コロナウイルスが猛威をふるっている最中では、フェアな競技が保障されない。その上、人の出が多くなる。だからこそ、初めから五輪開催に反対の声が多かった。そうした声には耳をかさずの強行だった。こうした差別がまかり通っている五輪は、是非、その実態を明らかにして欲しいものである。
 五輪憲章はあらゆる競技について「選手間の競争であり、国家間の競争ではない」(第1章の6) と定め、IOCや組織委員会に対しては「国ごとの世界ランキングを作成してはならない」(第5章の57)とされていたはずではないか。そんな理想はいつも通りに軽々と蹴散らし、圧倒的にアンフェアな環境下での五輪でも自国のメダル獲得に狂喜し、そして閉幕後には「五輪史上最高のメダル数」などと自賛するつもりか。それもまた、今般の錯乱五輪に付記される無恥の記録として後世に記憶されるのではないか。(青木理著「抵抗の拠点」『サンデー毎日』2021.8.15-22 12-18号)

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