2024年7月1日月曜日

未来を食い尽くさない

 土地に関する身に染みる箴言を見つけました。著書『土の文明史 : ローマ帝国、マヤ文明を滅ぼし、米国、中国を衰退させる土の話』(デイビッド・モントゴメリー著、片岡夏実訳、築地書館、2010年)の各章のはじめに紹介されていた箴言です。
 まず、「土を損なう国は、国自体を損なうことになる」(フランクリン・D・ルーズベルト)、「我らの土がなくなれば、我らもまた、出て行かねばならない。/剥き出しの岩を耕してなんとか食う術を見つけられないかぎりは。」(トマス・C・チェンバレン)です。日本の食料自給率の低さは有名ですが、それだけ耕作地が減っていることを意味します。食料自給率の問題は、国の命運を左右する土を損なう問題でもあったのです。 
 本文に、「耕士をどのように扱うかーー地域に順応した生態系としてか、化学物質の倉庫としてか、あるいは有毒物の処分場としてかーーは、次世紀の人類の選択肢を決定する」(上同、p296)とありました。化学肥料たっぷりの農地や、米軍基地からの有毒汚染物質流出問題、放射線廃棄物処理場問題を想起させ、それが箴言「土地に対して何かをすれば、それは自分自身にしていることになる」(ウェンデル・ベリー)に結びついてしまいました。そのためか、苦しさを感じてしまいました。だからこそ、次の言葉に耳を傾けましょう。 

 私たちが耕士をどのように扱うかーー地域に順応した生態系としてか、化学物質の倉庫としてか、あるいは有毒物の処分場としてかーーは、次世紀の人類の選択肢を決定する。・・・・現在、耕作可能地という基盤が縮小し、安価な石油もつきかけようとしていることから、世界は全人類を食べさせる新しいモデルを必要としている。島社会には見るべきものがある。あるものは未来を食いつくして、耕作可能地をめぐる熾烈な争いを起こすまでになった。あるものは平和な共同体を何とか維持できた。鍵となる違いは、新しい土地が手に入らない中で、農業生産性維持の実情に社会制度をいかに順応させたか、にあるようだ。言い換えれば、住民が土をどのように扱ったか、である。(『土の文明史 ローマ帝国、マヤ文明を滅ぼし、米国、中国を衰退させる土の話』、デイビッド・モントゴメリー著、片岡夏実訳、築地書館、2010年、p296、下線は引用者)

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