2024年7月21日日曜日

基本的人権を守った松川事件

 松川事件は、戦後最大の冤罪事件と言われています。その松川事件の最大の成果は何でしょうか。もちろん、全員無罪を勝ち取ったことですが、その結果成し得たことも、しっかりと確認しておく必要があります。つまり、「松川運動が生み出した直接の成果は、公正裁判の実現による司法の権威の確保であり、無実の被告たちを救出するという人命と人権の救済であり、国民が裁判にも申す権利と義務があることを示す民主主義の前進であった」(『松川裁判から、いま何を学ぶか』、伊部正之著、岩波書店 、2009年、p230)のです。
 写真家土門拳さんも写真集『写真 松川事件』の中で、松川事件の闘いが「民主的自由を守る闘いで」であり、「基本的人権を守る闘いである」(注)と言及しています。そういう意味でも、松川事件の勝利は、民主主義の勝利でもあったのです。そして、戦後民主主義とは何かを教えてくれた生きた教材でもありました。松川事件を語ることは、戦後民主主義は健在なりと語ることでもあるのです。
 
 (注)それにしても、現在起訴されている被告たちを防衛することは大事である。それは正義と真実を守る闘いである。それは労働組合活動の自由、すなわち民主的自由を守る闘いである。それは罪なくして罪におとしいれられることへの防衛、すなわち基本的人権を守る闘いである。それはとりもなおさず、ぼくたち自身の問題であり闘いである。松川事件については、われひとともに無関心ではいられない所以である。(土門拳著「松川事件と伊藤君」『写真 松川事件』、伊藤昭一著、東京中日新聞、1961年、p2)

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