番組ではいろんな絵を取り上げて解説していましたが、美術家の森村泰昌さんが解説した関根正二の「信仰の悲しみ」が、一番印象的でした。今まであまりよくわからない作品と思っていたのに、 森村泰昌さんの解説によって、その素晴らしさに開眼したからです。森村さんによれば、「信仰の悲しみ」は、関根正二の過去、現在、未来を描いた自画像ではないか、というのです。そう言われると、先頭に描かれた未来の姿は、凛として強い意志を感じます。初め、画題を『楽しい国土』にしようとしていたらしいこと(注)を考えると、うつむかなくても良い未来を『楽しい国土』と想像していたのかもしれません。
いずれにせよ、そんなの間違っているんじゃないか、と言われても、自分が面白ければ、そして、自分がときめくというか手応えがあったら、それでも立派な美術鑑賞です、という森村泰昌さんの解説も良かったです。
(注)二科展に出品する前、伊東深水宅に作品を持ち込んだ関根に対し、探水が画題をたずねると『楽しい国土』であると言ったが、深水は「まことに悲痛な人間の悲しみ」が感じられ、「いかにも宗教画という感じ」がして「楽しいというより、悲しみのどん底にいるような絵じゃないか」(「関根と私」『三彩』 昭和35年6月)と関根に言ったところ、「信仰の悲しみ」と題して出品したといわれ、・・・(「三重県立美術館 関根正二《死を思う日》《信仰の悲しみ》」より)

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