2022年3月9日水曜日

こんな時だからこそ、9条

  日本国憲法の三原則と言えば、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三つである。これと同じか、似たものとして、 「新憲法誕生の産婆役として百余日不眠の努力を続けた傾けた」という金森徳次郎氏は、憲法の支えている三つの根本思想を次のように述べている。

 憲法着想の根本として、一は平和の提唱ということであり、一は民主政治の徹底ということであり、他の一は国民の人間性の尊重ということである。 この三つの考え方が前文と本文とに種々の角度からもりこまれてある。(憲法を愛していますか』、金森徳次郎著農山漁村文化協会1997年、p23)

 このところを読んで、日本国憲法は建築物のような構造体を成しているように感じた。しっかりとした土台の上にバランス良い柱もある構造体である。それゆえに、枝葉末節の修正は可能でも、土台や柱に相当する部分を変えようとすると、途端にバランスを崩してしまうような構造体である。実は、これまでの改憲勢力がやろうとしていることは、憲法の柱に相当する平和主義を変えようとしているのだ。
 新型コロナ禍が治まらぬうちに、身近な国ソ連が侵略戦争を始めてしまった。あるいは、これを機会に憲法9条の批判が強くなってくるかもしれない。現実的な脅威を身近に感じてきているからだ。しかし、ここで学んでほしいことは、どんな理由があろうとも、軍事的な実力行使は悪なのだ。現実にことが起きてしまったら、とんでもない損失を、人的にも、物的にも被ってしまうことである。だからこそ、どうすれば世界の国々の間で軍事的な衝突を避けることができるか、を解明して、その実現に力を合わせていくことであろう。
憲法9条改憲など、とんでもない暴挙なのであって、こんな時だからこそ、9条が光り輝くのだ。
 とりあえず今考えられることは、グローバル化はますます発展してきているのだから、平和共存の実例を広げていけばいい。そして、「文化力、科学力で尊敬される日本に」や「あくまで頑張る軍隊は全滅する」でも書いたように、世界から尊敬される日本を目指すことである。

 これからの日本の進むべき道は明らかです。いかに戦争を避けていくか。日本は資源もないし、武力もない、文明力もないし、財力もないわけだから、これから生きていくためには”外交力”が大切です。外交力で戦争しないでいくこと。それにはまず尊敬されていなければいけないでしょう。(美輪明宏著「 文化を回復して尊敬される日本に」『中央公論』1915年9月号、p107)

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