2022年3月31日木曜日

今こそ和平原則を掲げよう

 現在の世界情勢について、「刻々と情勢が変化する中で、世界大戦勃発や核兵器使用の危機も指摘され、国際的な平和と秩序が根底から揺らぐ思い」、「民族自決や反戦平和といった言葉が、古くて新しい問題として再び論議の対象に」なっていることを知って、「困難なときは原則に立ち帰ることが大切」と誰かが言っていたことを思い出した。
 それでは、どういう原則があるのだろうか。改めて、「ASEANの原則」、「世界人権宣言」と日本国憲法前文から取り上げてみた。内政不干渉の原則、人間の尊厳、人権の尊重、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利、等々もっともなことばかりである。このような原則を、今こそ再認識し、世界のものにしていくことが求められている。
 このような和平原則論に対し、「理想論だ」と言って批判する声があることも知っている。しかし、世界の平和を望んでいるならば、そうした批判は当たらない。「世界の平和」そのものが理想だからだ。今こそ和平原則を掲げ、原則に向かって歩んでいくべきである。
 2月下旬に始まったロシア軍のウクライナ侵攻に対し、論壇でも様々な議論が重ねられています。刻々と情勢が変化する中で、世界大戦勃発や核兵器使用の危機も指摘され、国際的な平和と秩序が根底から揺らぐ思いです。民族自決や反戦平和といった言葉が、古くて新しい問題として再び論議の対象になっています。
 多くの人命が危機にさらされ続ける事態に、日本の私たちは何をどう論じればいいか。(以下略)(大内悟史著「論壇委員会から」『朝日新聞』、2022年3月31日) 

(1)ASEANの基礎となる諸原則の再確認(注:なお、その中には民主主義、法の支配、人権尊重、グッドガバナンス等も盛り込まれている)。国内問題への不干渉原則は維持。(「ASEAN憲章 | 国際機関日本アセアンセンター」より)

 人類家族全員が本来もっている尊厳と、平等で譲り渡すことのできない権利を認めることが、自由と正義そして世界平和の基礎である。
 人権の無視と軽蔑が、人類の良心を踏みにじる野蛮な行為を引き起こしてきた。また、人間が言論と信仰の自由と恐怖と欠乏からの自由を保障される世界の到来が、当たり前の人々の最高の願いであると宣言された。(世界人権宣言前文前半 萩原重夫訳『<世界人権宣言>のめざすもの』、明石書店、1998年、p62)

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。(「日本国憲法前文」より)

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