2022年3月2日水曜日

安保条約は諸悪の根源・2

 私は前から「日米安保条約は諸悪の根源」と思ってきた。今も変わりはない。この度のロシア軍がウクライナへ軍事侵攻は「軍備は結局戦争を呼び込む」ことを証明しているようなもので、それだけでも、在日米軍の存在は東アジアの平和にとって有害といえよう。それに、度重なる米軍人による犯罪や騒音被害などの人権侵害も、日米安保条約がある限りなくせない。だから、「日米安保条約は諸悪の根源」なのだ。しかし、安保容認の世論は大きい。そこで、安保容認の意見の一端を覗いてみた。
 日本が経済大国となっても、日米安保条約のもとで、相対的に小さな軍事力しかもたず、自衛隊を海外派遣しないという政策をとり得たのは、中国をはじめとするアジア諸国の大半がそうした政策を支持してきたからであった。思惑はそれぞれ異なっていたものの、アジアの諸国は日本の防衛費の増加に対して常に敏感であった。
 その意味では、日米安保条約は対日警戒心を和らげる役割を明らかに果たしてきたし、今後もその基調は変わらないであろう。中国の軍事大国化は、他のアジア諸国にとって、米軍のプレゼンスの意義を改めて確認させ、その観点から、日米安保条約の役割は見直されていると言ってもよい。(『日米安保とは何か その成立から新ガイドラインまで』、草野厚著、PHP研究所、1999年、p 165〜166)
 一読してスッキリしない文章だった。「日米安保条約のもとで、相対的に小さな軍事力しかもたず、自衛隊を海外派遣しないという政策をとり得たのは、中国をはじめとするアジア諸国の大半がそうした政策を支持してきた」と言えるであろうか。もし支持してきたのなら、「アジアの諸国は日本の防衛費の増加に対して常に敏感」であるはずがない。
 それに、何ゆえに「日米安保条約は対日警戒心を和らげる役割を明らかに果たしてきた」と言えるのかもはっきりしない。結局は「中国の軍事大国化」が「他のアジア諸国にとって」脅威だから、「日米安保条約の役割は見直されている」というのが結論である。
 しかし、なぜ「中国の軍事大国化」が進められているか。一つの要因に大国アメリカが目の前に大軍で押し寄せて軍事演習している、安保条約によって日米合同演習が行われていることも挙げられよう。そこまで見ないといけない。だからこそ、紛争は、その解決を軍事力に頼っている限り決してなくならないことに気づくべきであり、「日米安保条約は諸悪の根源」だと気づくべきなのだ。

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