ところが、外務省訳の読んでがっかりした。とにかく分かりにくいのだ。ここで比較してみるが、これでは、「世界人権宣言はあまり読まれなくても良い」と思われても仕方がない。しかし、人権思想が平和の基礎であることがはっきりと示されて気持ちがいい。このような思想が世界に行き渡っていたら、ロシアによるウクライナ侵略は飽きなかったに違いない。まさに今でも、ウクライナの人々の人権だけでなくロシア軍の兵士の人権も、踏み躙られている。これが戦争であろう。日本国憲法よりも普遍性が高い「世界人権宣言」の思想の普及が望まれていると言えよう。
人類家族全員が本来もっている尊厳と、平等で譲り渡すことのできない権利を認めることが、自由と正義そして世界平和の基礎である。
人権の無視と軽蔑が、人類の良心を踏みにじる野蛮な行為を引き起こしてきた。また、人間が言論と信仰の自由と恐怖と欠乏からの自由を保障される世界の到来が、当たり前の人々の最高の願いであると宣言された。
人が最後の手段として、専制と抑圧への反逆に訴えることを強いられなくなるためには、人権が法の支配によって保護されることが不可欠である。
国家間の友好関係の発展を促進することが必要不可欠である。(世界人権宣言前文前半 萩原重夫訳『<世界人権宣言>のめざすもの』、明石書店、1998年、p62)人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利とを承認することは、世界における自由、正義及び平和の基礎であるので、
人権の無視及び軽侮が、人類の良心を踏みにじった野蛮行為をもたらし、言論及び信仰の自由が受けられ、恐怖及び欠乏のない世界の到来が、一般の人々の最高の願望として宣言されたので、
人間が専制と圧迫とに対する最後の手段として反逆に訴えることがないようにするためには、法の支配によって人権保護することが肝要であるので、
諸国間の友好関係の発展を促進することが、肝要であるので、(世界人権宣言前文前半 外務省訳)
詩人・谷川俊太郎さんの「世界人権宣言条文」も、ネットで紹介されていた。外務省訳と一緒に一部紹介する。なんと外務省訳は、30条もある中、13条までしか翻訳紹介していない。しかも、26条などは教育に関する条文で、「人権と基本的自由を高める方向で行われなければならない」と、人権教育まで義務付けていたのだ。この意義は大きい。
第1条 みんな仲間だ
わたしたちはみな、生まれながらにして自由です。ひとりひとりがかけがえのない人間であり、その値打ちも同じです。だからたがいによく考え、助けあわねばなりません。
第2条 差別はいやだ
わたしたちはみな、意見の違いや、生まれ、男、女、宗教、人種、ことば、皮膚の色の違いによって差別されるべきではありません。 また、どんな国に生きていようと、その権利にかわりはありません。
第3条 安心して暮らす
ちいさな子どもから、おじいちゃん、おばあちゃんまで、わたしたちはみな自由に、安心して生きていける権利をもっています。
第4条 奴隷はいやだ
人はみな、奴隷のように働かされるべきではありません。人を物のように売り買いしてはいけません。
第5条 拷問はやめろ
人はみな、ひどい仕打ちによって、はずかしめられるべきではありません。
第6条 みんな人権をもっている
わたしたちはみな、だれでも、どこでも、法律に守られて、人として生きることができます
第7条 法律は平等だ
法律はすべての人に平等でなければなりません。法律は差別をみとめてはなりません。
第一条
すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。
第二条
1 すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。
2 さらに、個人の属する国又は地域が独立国であると、信託統治地域であると、非自治地域であると、又は他のなんらかの主権制限の下にあるとを問わず、その国又は地域の政治上、管轄上又は国際上の地位に基づくいかなる差別もしてはならない。
第三条
すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。
第四条
何人も、奴隷にされ、又は苦役に服することはない。奴隷制度及び奴隷売買は、いかなる形においても禁止する。
第五条
何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは屈辱的な取扱若しくは刑罰を受けることはない。
第六条
すべて人は、いかなる場所においても、法の下において、人として認められる権利を有する。
第七条
すべての人は、法の下において平等であり、また、いかなる差別もなしに法の平等な保護を受ける権利を有する。すべての人は、この宣言に違反するいかなる差別に対しても、また、そのような差別をそそのかすいかなる行為に対しても、平等な保護を受ける権利を有する。
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