2020年12月31日木曜日

カントによる常備軍批判

  コロナ禍の一年が終わろうとしている。昨年の末から始まったこのブログも、おかげさまで無事に一年を終えることができた。閲覧をありがとうございました。今年の最大の成果は、カントの再発見だった。
 その一つは、戦争に関する問題は『永遠平和のために』で論じられているだけと思っていたら、いろんなところで論じられていて驚いたこと。二つ目は、カントの本といえば『純粋理性批判』など、難しいという固定観念があった。しかし、結構読める論文も書いていることがわかったことである。例えば、『コリンズ道徳哲学』といった難しいタイトルの論文がある。そして、その中に「人類の最終的使命について」の一節があって、読みやすかった。
 しかもその一節には、「人類はこのような完全性への途上にあってどのくらい進んでいるのだろうか。世界の最も開化している部分を取り上げてみよう。すると、すべての国々が相互に武装しているのが、各国が平時にも他国に対して自国の武器を研いでいるのが目に入る。これは、そこで人間が完全性という普遍的目的に接近できることを妨げるという帰結をもたらす」(『カント全集・20巻』、p284)というような常備軍に対する批判が含まれていた。このようでは、カントの手紙にも、こうした戦争批判が含まれているかもしれない、と、手紙を読んでみたいという意欲が湧いてきた。
 いずれにせよ、「平時にも他国に対して自国の武器を研いでいるのが目に入る」といった表現は凄いと思う。
『永遠平和のために』で『常備軍はいずれは全廃すべきである」と書いているが、こういう論文でも、常備軍の性質(本質)に言及していたのである。
来年は、もっとカントの本を読み進めたいと思う。

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