まずはカントの解説書から読もうとしていたら、『カント —— その生涯と思想』(アルセニイ・グリガ著、法政大学出版局、1983年)が目に止まり、立ち読みして、これから読んでみよう、と思った。カントの魅力が最初の方に書かれていたからだ。
カントにとって人間の問題は最大の問題である。彼は宇宙のことを忘れたのではない、だが彼にとって人間が主要な関心事であった。人間がより人間的になり、より善く生きる、という唯一の目的のために、カントは存在と意識の法則について思案したのである。
(中略)
非常に早くから彼には他の一切を凌駕する生活関心として哲学がごく自然に芽生えた。彼の全存在はこの関心によって支配されていた。彼にとって生きることは仕事することを意味した。仕事は彼の主たる喜びであった。カントの生涯は、言業と行為、説教と品行とが見事に統一された模範である。彼は良心の安らぎの内に、義務を遂行したという意識をもって、生涯を終えた。(p2、強調は引用者による)
彼は、 「人間がより人間的になり、より善く生きる」という唯一の目的のために仕事(研究)をし、何よりも、自ら「より人間的になり、より善く生きよう」と実践しただけでなく、「より人間的になった」ことが素晴らしいところで魅力である。「仕事は彼の主たる喜びであった」ことが、何よりの証明である。
また、思想家、ハンナ・ア-レンもカントに学んでいたようで、『カント政治哲学の講義』(ハンナ・ア-レント著法政大学出版局、1987)の存在を知った。そのうちに読んでみたいと思っている。
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