2020年12月11日金曜日

カント哲学への興味

  最近、カントの『永遠平和のために』をしっかりと学んでみたいと思うようになった。その過程で、この書が、カントの代表的な著作『純粋理性批判』などとは違った、極めて現実的、政治的な文書であったことを知って、興味が倍増した。つまり『永遠平和のために』には、当時締結された”パーゼルの平和條約”の「欺瞞性に対する哲学的批判の意図を、 —— そしてそれを通じて近代国家の外交政策に対する批判の意図を、 —— 確かにこの書は含んでいる」(『永遠平和のために』、高坂正顕訳、岩波文庫、1959年、p4)という。だから、この論文は当時の平和条約と同じ形式をとっているのだ、と。
 そして、『永遠平和のために』を本当に理解し、かつ、その応用ができるようになるためには、ある程度の「カント哲学の理解」が必要のようで、次のような解説があった。

 カントの歴史哲学の考察の最後を締めくくるのが「永遠平和のために」である。この論文は政治哲学の分野に属するものであるが、カントの哲学においては歴史哲学、 道徳哲学、政治哲学が密援に結びついているのであり、この論文でこれまでの歴史哲学の考察の意味が明確に示されることになるのである。(『永遠平和のために/啓蒙とは何か/他3編』、中山元訳、光文社、2006年、p337、強調は引用者による)

 また、岩波文庫版『永遠平和のために』解説によると、カントは、”世界公民の立場”(中山元訳では”世界市民の視点”)とか、人類といった一国を超えた概念に到達していた。このことも、カントに魅せられた大きな要因である。トランプ大統領が「アメリカファースト(米国第一)」を掲げて話題になったが、とんでもない思想だ。カントの思想を煎じて飲ませてやりたいくらいだ。バイデン大統領になって、「アメリカファースト」を乗り越えられるかを注視していきたい。いずれにせよ、まずは解説から、カントの著作を少しずつ読んでいきたい。

理念は永遠である。それは永劫の未来に於てのみ自己を実現すると共に、超時間的として直ちに現在に作用するのである」(『永遠平和のために』、高坂正顕訳、岩波文庫、1959年、訳者による解説)。この言葉も素敵である。

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