戦後の日本を生きた実業家が、「本当の文化国家とはね」と、息子に向かって篤く語った言葉があります。次のように「生き生きと文化的に価値あるものを創造し続ける能力がある国だと思う」と結論するのですが、これこそ、日本が目指すべき道だと思いました。文化国家の逆は、文化的には何の価値もないものを生産し続ける軍事産業に力を入れている国だからです。
「謙一郎は文化国家って考えたことはあるか」どうでしょうか。
總一郎の質問に謙一郎は困惑して、首を横に振った。
「今、チャイコフスキーの音楽が流れているけれど、こういう素晴らしい音楽を作った国は文化国家だ。でもそれだけじゃないとお父さんは思う。本当の文化国家とはね、与えられた条件、それは、自然や歴史なんだけど、そこから生き生きと文化的に価値あるものを創造し続ける能力がある国だと思うんだ」 (『天あり、命あり:百年先が見えた経営者大原總一郎伝』、江上剛著、PHP研究所、2016年、p166)
日本は平和憲法を持った国として、文化国家を目指すべきですが、同時に、「『巨大な顕微鏡』ともいわれる次世代放射光施設ナノテラス(仙台市青葉区)の本格運用が4月に始まる」(朝日新聞、2024年3月1日)という記事が示すように、日本はすでに文化国家であることに自信を持つことも大切です。それらをさらに発展させつつ、世界の平和建設を目指すのです。そんな国を軍事的に攻撃したいと思う国があるでしょうか。
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次世代放射光施設「ナノテラス」の全景。直線形の加速器(右手前)と 円形の加速器(中央)からなる=NanoTerasu広報チーム提供 |

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