同じように、世界市民という意識が広まれば、国と国の争いもなくなるに違いない、そう思い、世界市民について言及した本を調べてみたいと思っています。カントには『教育学』や『フリードレンダー人間学講義』といった著作もあることを知りました。そして一つの疑問が生じました。次の引用でカントは、「今世紀の中で人間性の完成の向上のために現れた・・・」と書いています。それでは、カントやニーチェが描いた「人間性の完成」とは、どのようなものだったのでしょう、という疑問です。「道元禅師の悟り」で書いた、禅でいうところの「真我」とは、どのように違うのだろう、という疑問です。これからの課題です。
カントの『教育学』については、しばしばルソーの『エミール』からの影響が指摘されるが、パセドウからも、ルソーに勝るとも劣らないほどの影響を受けている。
カントによるバゼドウ評価の最も詳細な記述は、『フリードレンダー人間学講義』に認めることができる。カントはそこで汎愛主義教育の長所をまとめあげ、バゼドウの試みと汎愛学舎は、「今世紀の中で人間性の完成の向上のために現れた最も偉大な現象である」(XXV722-723)と述べて激賞している。さらに、ここで挙げられた汎愛主義教育の長所と同じ主張は、カントの『教育学』でも論じられており、カントは自身の教育論にバゼドウの主張を引き継いでいる。(大森一三著「世界市民教育としての哲学」『哲学の変換と知の越境』、牧野 英二編、法政大学、出版局、2019年、p257)」
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