野党はバラバラでは勝ち目がないことがわかっていながら、野党共闘に背を向けた立憲民主党の姿に、国民目線が薄いことが読み取られているのかもしれない。国会議員よ、もっと国民の中に入って、国民の真の声を救い出してほしいものである。
二〇一六年七月初旬、陸上自衛隊のPKO派遣部隊が活動する南スーダンの首都ジユバで、政府軍と反政府勢力の大規模な戦闘が発生した。自衛隊の宿営地の近傍が戦闘現場となり、宿営地内にも流れ弾が多数、飛来・着弾した。政府軍の戦車も出動する激しい戦闘だったにもかかわらず、防衛大臣は記者会見で「散発的な発砲事案」と発表した。そして、日本政府は「戦闘行為」 や「武力紛争」 の発生を否定し、活動の継続を早々に決定した。
これに違和感を抱いた筆者が、情報公開法に基づいて派遣部隊が作成した 「日報」を開示請求すると、防衛省は「既に廃棄した」という理由で不開示処分を下した。しかし、その後、日報は廃棄されずに保管されていたことが明らかになり、隠蔽に関与した関係者が懲戒処分を受けるとともに、防衛大臣と防衛事務次官、陸上幕僚長が引責辞任するという大スキャンダルに発展する。
派遣部隊は日報に、「激しい銃撃戦」と記していた。その報告を受けていなから、防衛大臣は戦闘の発生を否定し、散発的な発砲事案などという言葉で矮小化していたのである。さらに、防衛省はその日報を、「既に廃棄した」と偽って隠蔽していたのである。
派遣部隊は当然、現地の状況をありのままに報告する。そうしなければ、日本政府が的確な判断を下せないからだ。しかし、日本政府は現地の状況が危険になった時、それをありのままに国民に説明することを避けてきた。この姿勢を象徴したのが、南スーダンPKO日報隠蔽事件であった。
実は、隠蔽されたのは南スーダンPKOの日報だけではなかった。南スーダンPKO以前の海外派遣の日報も、行政文書として扱われず、開示請求しても「不存在」を理由に不開示とされてきたのである。(『自衛隊海外派遣 隠された「戦地」の現実』、布施祐仁著、集英社新書、2022年、p8〜10)
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