2022年8月5日金曜日

誰もが声を上げやすい公共空間を

 昨日のブログで、デモクラシーにとってとても重要なことは「日常の中で人と対話し、異なる人の意見というものを尊重しながら合意を形成していく。そういう場所を無数に作っていくと」こと、という中島岳志さんの言葉を紹介した。同じような言葉をハンナ・アーレントも書いていることを知った。ハンナ・アーレントは、「異なる意見を持つ人が集まり、開かれた議論をする公共性こそ人間の特性」と言い切っている。アーレントに言わせれば、開かれた議論ができないようでは、人間として未成熟だということになるであろう。
 だがしかし、未成熟として蔑むようでは、何かおかしい。そうだ。人間の尊厳という概念から見ると、公共性に馴染めないからといって人間の条件に合わないといって良いわけではない。ハンナ・アーレントは、間違ったことを言っているのだろうか???とは言え、「開かれた議論をする公共性」が重要なことには変わりない。
 ドイツの政治学者ハンナ・アーレントの「人間の条件」を思い出した。異なる意見を持つ人が集まり、開かれた議論をする公共性こそ人間の特性である――。
 「正しい結論はわからなくとも、議論することは疑いなく正しいと、確信めいたものがありました」。自分は、誰もが声を上げやすい公共空間を守ろう。そのためには、議論にうまく加われない人の支えになろう。そう考え、弁護士になると決めた。(朝日新聞夕刊、2022年8月5日、谷口太規弁護士)

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