2021年12月5日日曜日

立花隆:最後に語り伝えたいこと・3

 日本は、アメリカにとっての「不沈空母」と言われて久しい。橋頭堡と言われてこともある。いわば日本は、米軍にとっての前進基地というわけだ。しかし、なかなか問題視されることなく、現在に至っている。これでいいのだろうか。
 そうした米軍の本質を見事に体現しているカナダの事例が紹介されていた。1963年に、「ソ連から核兵器を搭載した爆撃機が飛んできたら、アメリカ国内に到達しないよう、途中のカナダ上空で撃ち落とすことを目指し、アメリカがカナダ全土に核ミサイルを配備」(『立花隆:最後に語り伝えたいこと』、立花隆著、中央公論新社、p43)したというのだ。当然反対運動が起き、何度も逮捕されてりしながらも「しつこい活動をやったのちに、世論を形成し、議会を動かして本当に核廃絶を実現しちゃった」(上同、p44)というから、素晴らしい。
 それにしても、米軍のあからさまな姿勢には驚く。こんな感じで世界に展開している米軍は、
 現在、米軍基地は日本だけでなく世界各国に存在する。1996年においては日本以外に、韓国、ドイツ、イギリス、イタリア、オーストラリア、パナマ、スペイン、トルコ、ベルギー、ギリシャ、アイスランド、オランダ、キューバ、ポルトガル、ディエゴガルシア、ホンジュラス、バーレーンなど世界各国に存在している。1991年に基地賃貸期限が終わり、今は米軍基地がないフィリピンのような国もある。
 そして米軍基地がある各国の基地周辺住民が受ける弊害を見れば、程度の差こそあるが、  他の国も騒音、退廃、核放射能漏出の危険など、ほとんど似通った弊害を負っている。(「世界の米軍」より
 このような現実を前にすると、気持ちも萎えてしまいがちになってしまう。しかし、「ほとんど頭のおかしいような恐怖の均衡政策の上に成り立って」(上同、p41)いる現実がある限り、そうした政策の間違いを言い続けたいものである。

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