これまでのブログで、「強い意欲が長命の原動力になっているのではないか」ということを取り上げてきた。画家のゴヤや北斎、彫刻家の平櫛田中、百歳のピアニスト室井麻耶子などのことだが、写真家の田沼武能もそのようで、「90歳のいまも現役第一線。健康の秘訣は」と問われて、「仕事が、ちょうどいい運動になっているんでしょうね。何より、まだまだもっといい写真を撮りたいという意欲がある。それが元気の源でしょう」(『サライ』、2019年7月号、p96)と答えていた。
大脳生理学医よれば、意欲は大脳の前頭葉に関係しているようで、強い意欲が前頭葉を発達をもたらし、逆に、そうして発達した前頭葉の働きが意欲の元になっている。前頭葉は新皮質にあり、生命維持に直接関係しているの旧皮質の脳である。ということは、前頭葉に発達が健康を左右しているとは考えにくい。しかし、体の運動が脳の血行にも関係しているように、脳の新皮質発達が、旧皮質の発達に影響を与えるであろうことは十分に考えられる。
脳の構造でわかるように、生命維持に直接関係しているの旧皮質は、あたかも大脳に守られているかのように、脳の中心部分に存在している。こうした構造からも、単なる類推に過ぎないが、前頭葉の発達、刺激が、大脳全体に影響を与え、大脳全体の発達、刺激が、旧皮質の脳に、長命をもたらしている、と想像できる。このようなことが、「芸術家に長寿者が多い」と言われる所以であろう。
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