2021年12月2日木曜日

日本をめぐる防衛環境の大局観

 現代世界は、混迷を深めているといってよい。防衛問題、エネルギー問題、温暖化問題、少子高齢化等々さまざまな問題が絡み合って、より問題を複雑にしている。最近知ったインフォグラフィックの手法を用いれば、こうした複雑な問題も、理解し、解決の道を見出せそうな気がしてきた。これから、一歩一歩学んで行きたいが、とりあえず、防衛問題に絞って、「日本をめぐる防衛環境の大局観」というものを考えてみた。中国などの核を含む脅威に対し日本は、自衛隊や米軍による核の傘によって対応している図式だ。
 ところが、視点を変えて中国や北朝鮮側に立てば、自衛隊や米軍による核の傘が脅威になっている。普段は、この視点が欠けているので、脅威が固定化し、その増大を「安全保障環境の悪化」と表現し、軍事費増の根拠とされても、さほど問題にされない。
 しかし、こうした「安全保障環境の悪化」という表現が、いかに一方的なものかがわかるグラフィックがある。朝日新聞に掲載されていたものだが、視点を変えれば、いかに「アメリカからの脅威」が大きいかがわかる。ところが、普段は、そうした視点で考えることはない。それでいいのだろうか。
 「視点を変えると物事の本質が見えてくる」というようなことを聞いたことを思い出した。それでは、視点を変えたことによって見えた本質とは、どのようなものだろう。それは、「米軍が大きな脅威となっている国」があるということではないだろうか。さらには、「日本も脅威になっている」かもしれない、ということもあるが、そうあっているとしたら問題であろう。戦後の反省がなされていないということになるからだ。どちらにしても、曇りのない目で世界を見たいものである。


(朝日新聞、2020年4月30日)

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