美輪明宏さんの「『老い』とは人生の総決算」というインタビュー記事を読んだ。そこで、「その時期が近づいたら、人生を振り返り、自分を見つめ直して、総ざらいしてみること」を勧めていた。「なんのために生きてきたのか。どう生きてきたのか。今までの積み重ねが問われ」る、というのだ。
このところを読んで、その実例とも言える内容の手記を思い出した。 「大学を定年退職して自由になったときに、最初にやりたいと思ったことは、生を卒業する前に、若い時からの自分の仕事の全体を、生涯をかけたモチーフの一貫性が明確となるような仕方で、一編の『全体小説』のような全集として編集しておくということだった」(『定本見田宗介著作集 10』、岩波書店、2012年、p190)。見田宗介さんにとっての人生の総決算は、『定本見田宗介著作集 』全14巻として結実したことになる。誰もがこのような立派な総決算をできるわけではないが、人それぞれの、個性豊かな総決算ならできそうである。
美輪さんはまた、日本をいい国にするためには、「きちんと歴史を見て、理性的に分析し、守るべきものは守っていく。そうすれば日本はきっと、この先、いい国になると思」うと述べていた。誇るべき歴史の例として、『鳥獣戯画』『北斎漫画』『からくり人形』をあげ、これらは世界を席巻しているアニメや漫画、そしてロボット技術の原型と言えると言っていました。日本には、このような世界に誇れる文化があるように、日本国憲法も、世界に誇れる文化財でもある。そのことに多くの人々が気づいていけば、本当に日本は、いい国になるに違いない。
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