ホイットマンについては、何度か書いてきたが、新しい詩集(『ホイットマン詩集』、木島始訳編、思潮社、1994年)を借りてきたら、「文壇に於ける平等主義の代表者『ウオルト、ホイツトマン』Walt Whitmanの詩について(抄)」という夏目漱石の文もあった。読んでびっくりした。独立精神が、どれだけ重要なことかを、強く訴えていたのである。原文は、句読点などがなく、読みにくかったので、「改行」や句読点「””」、ボールド体強調を入れ、紹介する。
ホイットマンにしについて、いろいろ言われているが、「其”詩法に拘泥せざる所””劣情を写して平気なる所”が、即ち「ホイツトマン」の「ホイツトマン」たり共和国の詩人たり平等主義を代表する所なるべし。
元来”共和国の人民に何が尤も必要なる資格なりや”と問はば、独立の精神に外ならずと答ふるが適当なるべし。独立の精神なきときは、平等の、自由の、と噪ぎ立つるも、必竟机上の空論に流れて、之を政治上に運用せん事覚束なく、之を社会上に融通せん事益難からん」(上同、p80)。
独立の精神なきときは、平等の、自由のと声だかに叫んでも、机上の空論に流れてしまい、政治上も、社会上も、役に立たん、というのだから手厳しい。漱石の思想をもっと調べてみたい、と思ってしまった。独立精神を骨抜きにされた日本の今の姿を、漱石なら、何というだろうか?
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