武者小路実篤がホイットマンのことを評価していたのを知って、ホイットマンが書いたものを読んでみたいと思った。『民主主義展望』という著書もあり、その初めに、
「自然」が宇宙を通じて與えてくれる最大の教訓は、おそらく多樣と自由の教訓だろうが、それがまたこの「新世界」の政治と進步に現われている最大の教訓である。
と書かれてあり、ますます、彼の業績に興味を抱くようになった。『民主主義展望』は、これからゆっくりと読んでいくとして、まず、一つの詩を紹介する。すでに、近代的な人間を謳っていたのだ。強調は私による。
人の「自我」をわたしはうたう
人の「自我」をわたしはうたう、一個独立した人格を、
しかもさけぶ、「大衆とともに」「群衆の中で」という言葉を。
いのちのいとなみを、頭のてっぺんから足の先までわたしはうたう、
顔かたちや頭脳ばかりが詩神にふさわしいのではない、
完全な「人体」こそはるかにもっともふさわしい、
「女性」を「男性」とひとしくわたしはうたう。
無限の情熟と脈拍と力にあふれた「生命」、
快活で、神聖な法のもと奔放不覊な行動むきにつくられた、
「近代の人間」をわたしはうたう。(『ウォルト・ホイットマン』、アメリカ・古典文庫・5、亀井俊介他訳、研究社、1976年、p35)
奔放不覊(ほんぽうふき):何ものにも拘束されず、思いどおりに振る舞うこと。また、そのさま。
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