2020年10月18日日曜日

君達、未来の人間よ

 実篤は、「人類の意志について」という文章を書いている。そこで、「人類の意思とは何か」と聞かれたら、「人類が完全に向かって成長する意思」だと答えるであろう。と書いている。人類とは、そういうもの、と思って詩「君達、未来の人間よ」を読むと、この詩の良さがわかる。しかし、放射性廃棄物などという物騒な種まで播いてしまい、未来の人間に申し訳ない。そういう視点が抜けているのが少し残念。とは言え、「君達を他人とは思ってゐない」という視点は忘れがちだが、重要だと思う。だからこそ、未来の人々に放射性廃棄物などの負の遺産を残す所業はやってはいけないのだ。

君達、未来の人間よ

未来の人間よ
君達こそ人間らしく生活してくれるだらう。
愚かなことをくり返さずに、
幸福に生活してくれるだらう。
すべての人がよろこべるやう
働いてくれるだらう。

未来の人間
我等のまいた種をかり入れる人間、
出来るだけよき種を
我等はまけるだけまきたく思ってゐる。
よろこびをもってとり入れてくれ。

未来の人間
君達を他人とは思ってゐない、
君達こそ
大きな仕事を
地上に完成してくれる人間だらう。
人間の栄光の為に働いてくれ。
人間らしくよろこんでくれ。
君達
未来の人間。
『勇気を燃やす言葉人間らしく生きるために』、武者小路実篤著、青春出版社1980年、p213~214

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