2024年10月9日水曜日

世界平和実現の使命

 著書『情報との出合い 語り下ろし』、縫田曄子著、ドメス出版、1999年縫田曄子さんは、留学中に会えたノーベル平和賞受賞者エミリー・パルチさんから、日本女子大学教授の上代たのさんを紹介されました。「エミリー・パルチさんは国際平和自由連盟の名誉会長で、上代たのさんは 日本の支部の代表をされていた」(『情報との出合い』、p65)のです。
 それでは、と、上代たのさんの著書を調べて、『上代たの文集』(上代たの文集編集委員会編、日本女子大学英文学科、1984年)を見つけることができました。ちょっと読んで、すっかり魅了されてしまいました。「百歳への希望」で紹介した「エドナ・ミレーの詩「新生」が素晴らしかっただけでなく、著書の<「期待される人間像」中間草案をよんで>という一文中で、「われわれは目前のナショナル・インタレストに眼を奪われて、世界平和実現への日本の役割ないし使命を忘れてはならない。日本が戦後とろうと決意した平和国家実現の姿勢は世界平和実現の使命達成という仕方で維持するのでない限り、この事案にもられているような現(うたが)実主義的平和論が国家主義と猜われるのもやむを得ないと思われる」(p44)とあったからです。
 この中の「世界平和実現への日本の役割ないし使命を忘れ」「日本が戦後とろうと決意した平和国家実現の姿勢は世界平和実現の使命達成という仕方で維持するのでない限り・・・・」ということは、あまり正面切って語られることはなかったように思えました。だから余計に、この言葉が心に染み入ったのかもしれません。
 改めて日本国憲法前文を読んでみました。
「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」
 とあります。これこそまさに「世界平和実現への日本の役割ないし使命」です。しかし現実は、そうした使命を忘れ、国防という一点、つまり、”中国や北朝鮮の脅威から日本を守る”という一点に集中してきました。それでは国防もままならないのです。今こそ、上代たのさんの声に耳を傾ける時なのかもしれません。

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