2024年5月9日木曜日

軍隊のもつ非人間性・狂気性

 二十世紀は戦争の世紀といわれていました。だからでしょうか、二十一世紀に入ったときには、「今世紀こそ平和の世紀へ!」と誰もが期待を膨らませました。しかし、そうした期待は裏切られ、今世界で戦争が続けられています。残念なことです。
 今更ながら、「戦争とは!」という問いが問題にされるようになってきています。つい最近も、『戦争と平和 田中美知太郎政治・哲学論集』(田中美知太郎著、中公文庫、2024年)という本が出版されたばかりです。いう本が出版されたばかりです。しかし、これで問題は解決するのでしょうか。そんな疑問だ生じてしまいました。つまり、”戦争”よりも、戦争を行う主体としての”軍隊”とは何か、”軍隊の本質” とは何か、を問題にするのが先だと思うようになってきたのです。なぜなら、軍隊には、自然科学的な正確さで「軍隊のもつ非人間性、狂気性」というものが存在しているらしいということを、次の解説で知ったからです。
 『地球時代の道しるべ』では続いて、「ナチスや大日本帝国だけが狂気だったのではありません」といって、アメリカがヴェトナム戦争でしてきた狂気や、ソ連がスターリンの独裁下でしてきた狂気も、「軍隊のもつ非人間性、狂気性」から説明できるとしています。

 軍は、常に敵の存在が必要ですから、いつも権力の僕として、自国内の良心的人士をその敵として監視し、抑圧しようとします。軍隊を組織し僕とし待らせている勢力にとって、権力の不正義と軍の浪費性を明らかにする勢力は軍にとっても敵であり、そこが狂気人とされ、市民としての権利を奪われてしまう関係が国防の名の下に社会化されて いる現実があるのです。
 再度強調しておきたいこととして、一般に戦争の悲劇として語られていることの中味は、軍隊のもつ非人間性、狂気性から生じていることであって、軍隊が存在したが故に、あるいは軍隊に「正義」を独占させたがゆえに、狂気が支配するようになったということです。
 そして、民衆や正気人が軍隊をコントロールすることなどできないので、常にどこの国においても軍隊が次第に「正義」を独占し、それを批判する正気人、良心的人士を圧殺、弾圧し、正気を窒息させて、悲劇を拡大することになるのです。(『地球時代の道しるべ 今、憲法九条を世界に活かす』、太田一男著、法律文化社、1996年、p165)

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