2024年5月18日土曜日

湯川秀樹氏のヒューマニズム

 湯川秀樹氏のヒューマニズムを知って、そこに彼の考える理想的な人間像を見出すことができました。倫理観も含まれていました。そこで考えたことは、カントニーチェの人間論も加味した総合的な、より発展的な人間像を創造できないだろうか、ということです。
 例えば、世界市民という概念があります。民族という概念、国民という概念よりもっと大きな括りとしての「世界市民という概念」も、”より発展的な人間像”の要素として加味していくのです。今後の大きな課題になりそうです。
 先はどうなるかわからんという意味で未来は開かれている。そして、そのなかで努力する。必ず成功するという保証はないけれども、むしろないからこそ(本文は傍点)努力する。われわれはお互いに自分が生まれようと思って生まれたわけではない。この世のなかは結構づくめではない。だから(本文は傍点)助け合って生きていこうではないか、というのが私のヒューマニズムであって、そういうなかで、何とか少しでもいいことをしょうと思って努力するところに生きがいを見つけ出す。理屈っぽすぎ、平凡すぎるかも知れませんが、これが私のヒューマニズムであり、私の生きがい論です。(『生きがいの創造』、湯川秀樹・市川亀久彌著、雄渾社、1967年、p243)

  世界市民という概念を調べていて、コスモポリタニズムという概念を知りました。辞書には「個人を国家・民族を超越した直接普遍的世界の一員として位置づける世界観。また,その立場に立って一つの世界国家を実現しようとする思想」と説明があり、コスモポリタニズムに関する著書もいろいろとありました。その中に興味ある一冊を見つけました。『コスモポリタニズム:自由と変革の地理学』(デヴィッド・ハーヴェイ著、大屋定晴訳・解説、森田成也・中村好孝・岩崎明子訳、作品社、2013年)です。書評に「地理学を欠いた『自由と解放』は、暴力と抑圧に転化する」とあったからです。このようなコスモポリタニズムに関する著書に、”湯川秀樹氏のヒューマニズムがどのように貫かれているか興味のあるところです。

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