先週、何十年ぶりの北海道旅行で市立小樽美術館に寄ってきました。作品そのものよりも、柴橋伴夫さん書かれていた「〈表現の獣性〉をめざして」という文章に感銘を受けてきました。その中で、
表現者にとって最も大事なことは精神の自由を抱き続けることではないか。時代がどんなに悪くなってもそこから逃げないこと。つまり災害による被害と戦争の炎だけが映像となって私達の意識を〈支配〉してゆくというこの現実。混沌とした闇が魔王のように支配する世界。非人間的状況に対して〈異議申し立て〉をすべきなのだ。
と結論していたのです。「災害による被害と戦争の炎だけが映像となって私達の意識を〈支配〉してゆく」という言葉に、正直いって衝撃を受けました。確かに、そうかもしれない、と。そして、「混沌とした闇が魔王のように支配する世界。非人間的状況に対して〈異議申し立て〉をすべきなのだ」という主張には、諸手を挙げて賛意を示したい心境です。
さらに、ダダイズムという芸術運動についても初めて知りました。「ダダイストを自認するものは、内心の自由に根差した〈異議申し立て〉の使命を忘れてはならないのだ。そのためまずダダ本来の使命として、<醜悪な現実〉の唾棄を行わねばならない。」と紹介されていたのです。
早速ネットで検索し、「ダダイズムの世界。あらゆる既成概念を破壊した芸術運動とダダイストたちの作品 」を見つけ、興味のある作品を見つけました。ベルリン・ダダの創立メンバー、ジョン・ハートフィールドのフォトモンタージュの作品です。これこそ、まさに「非人間的状況に対する〈異議申し立て〉」そのものです。
彼によるフォトモンタージュの作品の特徴は、政治風刺です。「新しい政治問題は、新しい政治宣伝の方法を必要とする。そのためには、写真はもっとも強力な力を持っている」と言い、フォトモンタージュで、ナチス批判を続けました。あまりにも強烈な風刺に、ナチスが彼の家まで襲撃に来たところを間一髪窓から脱出して逃げた、という逸話があるほどです(この項は、サイト「ダダイズムの世界」より)
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水を撒いて兵隊を育てている風刺画。ユニークな要素も風刺にはかかせません。 |
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金と権力にまみれているという風刺。すごいメッセージですね。 |

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