図書館で何気なく手にした『はじめての憲法』(篠田英朗著、筑摩書房、2019年)を流し読みしてみました。そして、憲法の解説という体裁の本でしたが、よく読んでみると、最後の方で自らの改憲の主張を載せてあって驚きました。図書館の内容紹介文に「護憲派vs.改憲派の不毛な対立を越えて、国際主義を強調する日本国憲法の内容を、・・・平易に解説する。ほんとうの平和を考える憲法入門講義」とあるのに、次のように改憲派の論客だったのです。
ここで呆れるのは、「戦力ではない軍隊」と簡単に述べていますが、そもそも、「戦力ではない軍隊」など、あり得ません。たとえあったとしても、それでは役に立たないでしょう。【質問] 篠田先生は、憲法改正については、どのように考えていらっしゃるのですか。現行憲は、集団的自衛権を禁止していないとしても、改憲は必要でしょうか。改憲すると従来の憲法の平和主義はどうなるのでしょうか。
【答え] 改正のポイントは解釈を確定することだと考えています。現状では、憲法九条の解釈は大きく割れています。それはとても良くない状態です。まずは九条の解釈を確定させるための処置が望ましいと思っています。
安倍首相は、自衛隊の合憲性を確定させる改憲をしたいと言っていますが、妥当な発想でしょう。解釈が分かれている状態で、行政府の長として自衛隊を動かしにくいというのは、全くその通りなのだろうと思います。
(中略)
私は、二〇一七年に『ほんとうの憲法」(ちくま新書)という本を出した際、九条三項を追加する改憲をするのであれば、「前二項の規定は、本条の目的にそった軍隊を含む組織の活動を禁止しない。」という文言を入れるのがいいのではないか、と書きました。この措置によって、「戦力ではない軍隊」が違憲ではないことが明らかになります。あとは自衛隊がその「戦力ではない軍隊」であることが通常法で確認できれば十分です。解釈が分かれているのは、自衛隊という名称の合憲性ではなく、軍事組織が合憲でありうるかどうか、なのです。(『はじめての憲法』、 p195〜196)
同じ著者の本に『集団的自衛権の思想史 憲法九条と日米安保』(篠田英朗著、風行社、2016年)という本もあって、「安保法制をめぐる議論の中で、日本国憲法の国際協調主義は瀕死の重傷を負っている-。平和構築を専門とする著者が、日本の憲法学の歴史にその淵源を探りつつ、集団的自衛権がわが国でどのように語られてきたかを詳細に追う」本だそうです。平和構築を専門とする著者が改憲を主張するとは、知って呆れてしまいました。「敵を知れば、・・・」なのかも知れません。だから、『紛争解決ってなんだろう』(篠田英朗著、筑摩書房、2021年)も、読んでみたいです。
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