民主主義という言葉も、いろんな意味で使われております。極端な場合、制度的な面だけが語られ、理念的な面が省かれて解説されています。例えば、「民主主義には直接民主制と間接民主制の2つの形態がありますが、日本では、基本的には、人民の直接の多数決で国や自治体の方向性を決めるのではなく、人民の代表者を選び、代表者に権力を行使させる間接民主制が採用されています」(『18歳からの法律知識』、p12)といった具合です。
しかし現実は、民主主義は「国民主権、平和主義、基本的人権の尊重」という日本国憲法の三原則と密接な関係にあります。これらは切り離せないといっても過言ではありません。今こそ、「われらとわれらの子孫のために、・・・政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうに」(日本国憲法前文)していきたいものです。
違憲の法律が世論を無視して国会で成立し、今後日本は海外での武力行使を強いられ、自国他国民問わず、死者が出てしまう可能性がある。今、日本国民は、自国の在り方について、ようやく考えはじめたばかりではないだろうか。安倍首相は「新・三本の矢」を打ち上げ、内閣支持革の再浮上を狙っているようだが、経済最優先で民主主義は後回しにされるのでは筋違いだ。日本の経済成長は、戦後七〇年の平和があったからこそ実現したものだということを忘れてはならない。また、結局のところ、現代の国際社会のなかにあって、民主主義を実現できない国が、安定した地位を築けるとは、到底考えられない。真の国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を実現できなければ、日本の未来は危うい。今、日本は岐路にある。(糸数慶子著<「民主主義」に執着する>『私の「戦後民主主義」』、岩波書店編集部編、岩波書店、2016年、p180〜181、強調は引用者による)
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