また新しい思想家に出会いました。『スモール・イズ・ビューティフル』(E.F.シューマッハー著、講談社、1986年)の著者です。宇宙船地球号の危機の現状をわかりやすく解説してくれていたのです。たとえばこんな具合です。
実業家ならば、会社が資本をどんどん食いつぶしているのを見れば、生産の問題が解決ずみで、会社は軌道に乗っているなどとは考えまい。とすれば、この「宇宙船地球号」の巨大な経済、とりわけそれに乗りこんでいる金持ちの乗客(豊かな国々)の経済を考える場合に、この重大な事実を見逃していいものだろうか。(『スモール・イズ・ビューティフル』、E.F.シューマッハー著、講談社、1986年、p20)
化石燃料や土地の栄養も「宇宙船地球号」の資本です。これらの資本をわれわれ人間は、「どんどん食いつぶして」きました。その結果がどうなるか、上手い比喩を用いて、警告していました。次に紹介したように、「現代人は自然との戦いなどというばかげたことを口にするが、その戦いに勝てば、自然の一部である人間がじつは敗れることを忘れている」というのです。著者が言わんとしていることは、斎藤幸平さんと同じではないでしょうか。詳しくみていく必要がありそうです。
現代人は自分を自然の一部とは見なさず、自然を支配、征服する任務を帯びた、自然の外の軍勢だと思っている。現代人は自然との戦いなどというばかげたことを口にするが、その戦いに勝てば、自然の一部である人間がじつは敗れることを忘れている。ごく最近までこの戦いは有利に展開し、人間の戦力は無尽蔵という幻想を抱かせたが、かといって、最後の大勝利の展望はまだなかった。今や勝利を目前にして、やっと多くの人びとが――まだ少数派ではあるが――この勝利がいったい人類の将来にどんな意味をもつのかを理解しはじめた。(上同、p19)
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