2023年5月4日木曜日

真の民主主義とは何ぞや

  戦後に再刊された雑誌『改造』を読み始めたが、編集者の意識の高さに驚いている。1946年3月号「巻頭言」では、「真の民主主義とは何ぞや」と問い、「それは民主主義の文字が示す通り、個々の人民が自分の信念を守り抜くということである。その代り他人の信念と他人の自由を尊重しなければならない」と答えている。そして驚いたのが先の戦争を招いてしまった一因に「日本国民が真の民主主義になり切っていなかった」と、民主主義の未成熟を挙げていたことである。その部分を引用すると

 終戦後日本旅は猫も杓子も民主主義を唱える。あたかも全国が民主主義化したの観がある。しかし、民主主義は即成されるものでない。明治の初年五ヶ条の御誓文が布されて以来、昭和七年の五・一五事件迄六十五年間、日本国民は封建政治から民主主義政治に移行する戦いを戦って来た。民権運動、藩閥政治打破から、軍閥排撃、政党内閣樹立に到る迄、日本の民間政治家は悪戦苦闘をした。生命と財産をなげうったものも多かった。ところが、そうして築き上げた民主主義の政治は、軍人のクーデターに会って一溜りもなく消え去った。日本国民が真の民主主義になり切っていなかったからである。(「巻頭言」『改造』1946年3月号)

 この後、

 真の民主主義とは何ぞや。それは民主主義の文字が示す通り、個々の人民が自分の信念を守り抜くということである。その代り他人の信念と他人の自由を尊重しなければならない。(上同)

 と続くのである。

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