2023年5月18日木曜日

「人類の宝」日本国憲法

 元社会党党首土井たか子さんの講演記録「人類の共存と日本国憲法」を読んだ。戦後の闘いを振り返って、「戦後の日本人の反省をさらに深め、民主化と非軍事化をさらに発展させるか、それともあのような反省は不要であったとして、戦前的なものに逆行し、後戻りするのか――それが戦後日本の政治史を貫く政治闘争の変わらぬ主題(『月刊社会党』1988年7月、P29-30)だった、と語っていたのが印象的である。「戦後日本の政治史を貫く政治闘争の変わらぬ主題」というものが、今に至っても変らないからだ。
 しかし、「新しい戦前」なる言葉まで現れ、話題になるほど、歴史の逆行現象が進んできていると言える。それにもかかわらず、「歴史の逆行現象」に対する危機感のなさというもの目立つ。大幅な軍事費増が現実味を帯びてきているのが何よりの証拠であろう。
 では、歯止めをかけるにはどうすればいいのだろう。そのヒントが、一九八六年一一月にインドのガンジー首相とゴルバチョフ書記長とともに発表された「核兵器と暴力のない世界の諸原則に関するデリー宣言」にあるような気がしている。土井たか子さんによれば、

「人命を至高の価値と認めなければならない」
「非暴力が人類共同体の生活の基礎とならねばならない」
「相互理解と信頼が、恐怖と疑心暗鬼にとって代わらねばならない」
 このデリー宣言は、その精神において日本国憲法と合致しているのです。(上同、p33)

 この「デリー宣言」が意味することが重要なのだ。つまり、「デリー宣言」は、日本国憲法は、世界に誇るだけでなく、「日本国憲法が普遍性のある憲法である」ことを示している。だからこそ、それだけ重要な、文字通り「人類の宝」なのである。そのことを再確認していくことが、歴史の逆光を押しとどめる力になるに違いない。

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