美術館の常設展示にルオーの作品があった。今回は、予備知識として美術館にあった『世界の巨匠シリーズ ルオー』を読んでからルオーの作品を鑑賞してきた。そして、ルオーの素晴らしさを発見することができた。
ルオーの才能について「人間の苦難への迸るような共感、無意味な細部を無視してしまう才能」(『世界の巨匠シリーズ ルオー』、P・クールディコン解説、中山公男訳、美術出版社、p7)と書かれていた。
さらに、「彼はまた書くことによって、『死ぬまで休みなく労働しつづける』人びとのことや『雄々しく苦痛に耐える負傷者。一言も語らず(彼らは知らないのだ)、書かない人たち……彼らは高貴の生まれではなく、汗の匂いがし、しばしば同じ顔立ちではあるが、彼らは美しく、彼らは祈り……彼らは祈っているのだ、その身ぶりで知っていただきたい』人びとのことに想いをいたしている」(上同、p12)という。
人びとのこと、と言っても書く対象については書かれていない。が、それは、人間の心の内面を指している。ルオーは、 「彼ら(仲間の画家)は人間の心の奥底のことには全く無関心のようだ。だが、私にとってはそれこそが全生命だ」(『20世紀美術』、高階秀爾著、ちくま学芸文庫、1993年、p169)と語っているように、「死ぬまで休みなく労働しつづける人」や「雄々しく苦痛に耐える負傷者」などの心の奥底のことを描いたのである。このような予備知識を持って改めて作品を見ると、作品の素晴らしさがよくわかる。
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「『出光美術館蔵品図録・ルオー 』、出光美術館編集、平凡社、1991年」より |
「『出光美術館蔵品図録・ルオー 』、出光美術館編集、平凡社、1991年」より
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