日本国憲法は、戦争放棄条項である九条を持つことからも、理想論と批判されたり、われわれ国民の行手を照らす理想として大切にされたりしている。つまり、日本国憲法が理想と言われても、その理想そのものに曖昧さがある。その曖昧さを取り除くために、憲法の理想そのものの歴史を明らかにし、科学史や数学史のように、歴史的に形成し、発展してきたことを明らかにすべきである。
なぜなら、「イギリスの名誉革命直後の権利章典から始まって、アメリカ独立宣言やアメリカ合衆国憲法を経て、フランス人権宣言に至る百年間に形成された」(『二つの憲法 大日本帝国憲法と日本国憲法』、井上ひさし著、岩波ブックレット、2011年、p55)のが、憲法という「宝物」だからである。
ここからは仮説に過ぎないが、これまでの「憲法の歴史」を振り返ると、遅い早いは別として、ほとんどが反革命によって覆されてしまっている。しかし、日本国憲法だけは、満身創痍ではあるにせよ、原文は変えられることなく今に至っている。ということは、世界にはなく、誇らしいことと言って良いのではないだろうか。いずれにせよ、反革命の実態を調べてみるのも、面白そうである。宿題である。
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