1、「自由、民主主義、人権、法の支配」こそ人類の至上の価値だというのなら、それを守るためにも、その敵対者と対決するだけの軍事力を持たねばならないであろう。
2、今日、世界の構造は著しく不安定化している。日本の憲法9条の平和主義は事実上条件付きのものである、なぜなら、9条の武力放棄は、前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」を受けているからだ。だが今日の世界ではもはやこの条件は成立していない。
1の問題点は、「人類の至上の価値」を守るためには、軍事力以外にもあることを無視している。その上、「敵対者と対決するだけの軍事力」を持とうとすれば、相当の軍事力アップをしなければならない。そのことも触れていない。何よりも、軍事力を使った時点で、「人類の至上の価値」は、破壊されてしまう。
2の問題点は、前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」という条件は、もともと成立していなかった。前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」という条件が満たされていないのは、今に始まったことではなかったのだ。だから日本国憲法は、そういう国際社会を作ろうとしたと言って良い。にもかかわらず、そうした努力をせずに、「今日の世界もはやこの条件は成立していない」と切り捨ててしまうのは、早計な結論でしかない。
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