2022年7月10日日曜日

反憲法政治の転換を

 菅政権時代に「学術会議任命拒否問題」というのがあった。芦名定道、宇野重規、岡田正則、小沢隆一、加藤陽子、松宮孝明の6名が、菅政権によって日本学術会議会員への任命を拒否された事件である。この度、この6名が著者になって『学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か』(岩波新書、2022年)が出版された。そして、その中に、小沢隆一著「反憲法政治の転換を」なる小論があった。その結論は、任命拒否問題の本質など、次のような内容であった。
 今回の任命拒否は、これまで「首相の任命権は形式的なもの」、「任命拒否は想定されていない」と説明してきたものを、「学術会議の推薦のとおりに任命する義務はない」と勝手に法解釈を変更して行なったものです。学術会議の会員人事への介入は、安倍政権時から画策されてきました。そして、憲法解釈、法解釈の勝手な変更による政治の暴走、人事権の行使による強権支配は、安倍政権下で際立ってきました。それは、二〇一五年の安保法制の強行、その前年の集団的自衛権容認の閣議決定、それに先立つ内閣法制局長官人事によって先鞭がつけられました。そして今、「攻撃的兵器は持たない」とする従来の政府方針をかなぐり捨てて、「敵基地攻撃能力」の保持が狙われています。法の支配の破壊と人事権を使った強権支配は、平和と民主主義、そして憲法にとって重大な脅威となっているのです。今回の学術会議会員の任命拒否問題を、こうした安倍政権から菅政権へと引き継がれた反憲法的政治のなかに位置づけることが必要です。( 『学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か』、岩波新書、2022年、p85)
 ここで、任命拒否問題の本質が次のように述べられている。

 1、勝手に法解釈を変更
 これまで「首相の任命権は形式的なもの」、「任命拒否は想定されていない」と説明してきたものを、「学術会議の推薦のとおりに任命する義務はない」と勝手に法解釈を変更して行なったもの。

 2、安倍政権時から画策された政治の暴走
 憲法解釈、法解釈の勝手な変更による政治の暴走、人事権の行使による強権支配は、安倍政権下で際立ってきました。

 3、一連の反憲法的政治
 二〇一五年の安保法制の強行、その前年の集団的自衛権容認の閣議決定、それに先立つ内閣法制局長官人事によって先鞭がつけられました。そして今、「攻撃的兵器は持たない」とする従来の政府方針をかなぐり捨てて、「敵基地攻撃能力」の保持が狙われています。

 4、任命拒否問題の本質
 法の支配の破壊と人事権を使った強権支配は、平和と民主主義、そして憲法にとって重大な脅威となっているのです。今回の学術会議会員の任命拒否問題を、こうした安倍政権から菅政権へと引き継がれた反憲法的政治のなかに位置づけることが必要です。

 現在は、ロシアによるウクライナ侵略戦争が影響し、防衛論議が盛んになってきており、その過程で防衛費の倍増が叫ばれている。しかし、外国からの脅威よりも、一連の「法の支配の破壊と人事権を使った強権支配」という「平和と民主主義、そして憲法にとって」の脅威こそが問題ではないだろうか。

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