2022年6月6日月曜日

言葉が変われば社会も変わる

 日本経済新聞を読んでいて、頭の中にあるモヤモヤした思いに関係する言葉を見つけた。「表す言葉が存在しないもののことは考えることができない」という言葉で、次のように書かれていた。
 簡略化された言語ニュースピークに「自由」や「民主主義」と言った言葉はない。表す言葉が存在しないもののことは考えることができないから。 逆に言えば、言葉が変われば社会や思想も変わるのだ。世界は過渡期で、いつだってもっと良くなる可能性を秘めている。 (声優池澤春菜著「言葉は巡る」、『日本経済新聞』、2022年6月6日)
 この言葉によって思い出されたのが、土中微生物を取り上げたNHK放送の「サイエンス・アイ」だった。その中の、土中の微生物はさまざまな分野で活用されてきているが、わかっている無生物はわずかで、ほとんどの微生物は「名前もない」ということを思い出したのである。「表す言葉が存在しないものは存在しない」ことと同じなのだ。
 また、池澤春菜さんは「言葉が変われば社会や思想も変わる」と書いているが、民主主義とか人権という言葉が変わらないから、あるいは、社会が混迷を深めているのかもしれない。つまり、「戦後民主主義」だとか「民主主義の危機」だとか民主主義についていろいろと語られているが、その実は、民主主義の実態が豊かになっているにもかかわらず、それに伴って言葉そのものも豊かになってこなかったから、社会が混迷を深めているのかもしれない。それは人権についても言えるだろうし、他の社会科学の言葉にも言えるであろうと考える。
 池澤春菜さんの言葉は、このように社会科学の言葉そのものの検討の必要性を明確にしてくれ、こうして文章化することで、頭の中にあったモヤモヤもだいぶスッキリしてきた。もっと言葉にこだわってみたいと思った。

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