2022年6月10日金曜日

量子は波として伝わり、粒として現象する

 放送大学の面接授業「ニンジンで学ぶ量子の世界」を受講した。最後に出された課題に対するレポートは、実験事実を踏まえながら、初めての人にもわかるように自分の言葉で説明せよ、だった。以下そのレポートである。

1、「量子は波として伝わり、粒として現象する」とは
 量子力学と言えば、アインシュタインによる相対性理論と並んで、現代物理学の双璧と言われるもので、数学を駆使しなければ到底理解できるものではないと思っていました。それだけに高等数学を用いなくても理解できるという「ニンジンで学ぶ量子力学の世界」の科目は魅力でした。
 実際に授業を受けて、「光は波動である」と同時に「光は粒子でもある」ことを実験的にも理論的にも明らかにしたものが量子力学というものである、と感動的に理解することができました。
 まず、光が波動であることは、オランダの物理学者ホイヘンスによって提唱されたものの、ニュートンによる粒子説などが唱えられ、はっきりしませんでした。しかし、その後英国のヤングによる干渉実験によって「光は波動である」ことが実証的に明らかにされました。その実験は、二つのスロットがある壁面に光を当てるもので、光を当てると波動の性質である「干渉縞」が出現することから、光が波動であることが確かめられたのです。
 その後、アインシュタインによって、光電効果の実験から「光はエネルギーを運ぶ粒子である」という光量子説が発表されました。この光量子説は、二つのスロットに光を当てる実験において、単一フォトン(極限まで絞った光)を一個一個、順番に当てていく実験によって確かめられました。
 その実験によると、10秒後には多数のスポットの光が、面状に不規則に粒状の光が現れました。しかし、10分後、1時間後、と時間が経つにつれて、つまり、「検出すると一つ一つの”粒”として振る舞う」のに、その数が増えると、たくさんの粒状の光が「干渉縞となって」はっきりと姿を表し、「光が”波”でもあること」がわかったのです。



 興味ある事実は、粒子として考えられてきた電子は、実は波動性を持って存在しているということです。このことは、光の干渉実験と同様に実験を、単一フォトンの代わりに電子を、一個一個順番に当てていく実験によって、電子の数が増えると「干渉縞となって」はっきりと姿を表し、電子の波動性が確かめられました。電子も、量子としての振る舞いをしていたのです。

2、感想と今後の希望
 講義では、紐による定常波の実験も行われ、紐の両端に合致した周波数の時にだけ定常波が現れること、さらに、定常波の周波数から、周波数がずれると波が減衰してしまうことを目の当たりにし、初めて定常波のイメージを理解することができました。
 そして、これが最も感動したことですが、学校で習った電子の軌道というものを、電子の量子としての振舞い、つまり電子の定常波という概念によって初めて、具体的なイメージとして理解することができました。
 ケルビン卿の問題を、実際の計算で求められたことも、大きな数の計算の仕方も、とても興味深く、楽しかったです。計算のイメージが、ずっと良いものに変わりました。
 今後の希望は、エントロピーというものが世界でどのように貫かれているのか、というような講義を聞きたいです。とても大切な概念(と私は考えているのですが)の割にはあまり語られていないのが不思議なのです。

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