朝日新聞連載(復帰50年 沖縄戦)で、「ざわわ、歌われない日まで 平和への一歩に、父が作った歌を継ぐ」(2022年6月22日)と題して、ソプラノ歌手寺島夕紗子さんが語った言葉は、ロシアのウクライナ侵略を前にして、平和運動が苦境に立たされていることを示している。
〈ざわわ、ざわわ、ざわわ〉――。66回繰り返す。感情にとらわれすぎず、淡々と。それがこの歌をつくったひとの教え。その教えを心がけるほどに、静寂は深く、平和を思う心が、観客にも自分にも育まれてきたという確信があった。寺島夕紗子さんが感じた無力感には、多くの人々が共感を抱くのではないだろうか。だがしかし、そうした無力感を乗り越えて更なる飛躍を目指す動きも起きている。朝日新聞夕刊記事「平和首長会議、加盟都市続々と 欧州急増、ウクライナ侵攻で危機感」(2022年6月21日)が、それである。この記事によると、「平和首長会議は1982年、当時の広島市長の呼びかけで発足した。コロナ禍もあり、昨年の加盟は85都市にとどまっていたのが、今年4~6月には12カ国110都市が一挙に加わった。総数は166カ国・地域8174都市になる」という。日本国内では、なんと、「5月1日付で青森県東通村が加わり、加盟都市数は1737で全国の自治体の99・8%になった」というから驚く。こうした動きに、とても勇気づけられた。やはり、力に頼らない日本国憲法の正道の声を大きくして行くべきなのだ。「平和首長会議」は、そう教えてくれている。誰もが戦争は避けたいのだ。
しかし、今、その自負が大きく揺らいでいる。がれきの中に立ち尽くす人。毛布にくるまる子ども。テレビから流れるウクライナの映像が脳裏から離れない。
〈昔海のむこうから いくさがやってきた〉。歌詞を口にすると、今この瞬間に命を落としている人たちの姿が想像され、無力感にさいなまれる。(朝日新聞、2022年6月22日)
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| (「朝日新聞夕刊、2022年6月21日」より) |

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