立花隆さんの論文、”憲法九条を死守して「崇高な理想」を貫け”(『滅びゆく国家:日本はどこへ向かうのか』、立花隆著、日経BP社、2006年)の存在を最近知った。飛びつくように読んだが、論旨が明快で、鋭かった。
一番スッキリしたことは、朝令暮改(法令などがすぐに変更されて一定せず,あてにならぬこと)という四字熟語を例に、「法の問題で何より重要なのは、法の安定性を守ること」(同上、p232)。だから、余程はっきりした理由がない限り、みだりに法を変えてはいけない、と言い切っていたことである。「朝令暮改の世界では人は、法を守る気力すら失ってしまう」(同上、p233)、と。後でもっと詳しく読んでいきたいが、「法の安定性」について言及していた人が少ないのか、私にとっては新鮮だった、
もうひとつ憲法九条のことで言えば、「憲法第九条が日本に繁栄をもたらす」なぜなら、「軍事費増大によって経済は破綻する」からだ、という意見も、とても新鮮だった。それゆえ、「日本経済も血を流すアメリカとの軍事同盟許すな!」ということになる。目を疑うようなことも書かれていた。「全米各地にある基地のうち主要基地三十三を閉鎖し、二十九基地の兵力を削減する」(同上、p 416)という。こんなニュース聞いたことがない。実際予算はどのくらい減っているのだろうか。
この本、『滅びゆく国』の結論は明らかだ。憲法を無視し、軍事費を拡大していく道こそ、滅びの道だ、ということである。「古来、軍事力によって世界の覇権を握った大国は、どこかの時点でとめどなく増大していく軍事費に経済的に耐えられなくなって崩壊している。かつての日本も戦争で軍事的に敗れる前に、実は経済的に崩壊しており、勝つことは不可能だった」(同上、p 417)のだ。「滅びゆく国家」を手をこまぬいて見ているわけにはいかない。
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