放送大学の授業科目「西洋芸術の歴史と理論」の十二回「19世紀の美術 —— 革命時代の芸術 —— 」の放送授業を受けた。クールぺとマネを取り上げ、その革命性、革新性を解説してくれた。これまでにない、絵画鑑賞の新しい視点を教えられたような気がする。私なりに要約してみた。
1、18世紀以前と19世紀以降を大きく分けると、
18世紀以前:社会が家族単位
19世紀以降:社会に工場やオフィスが現れ、家族から切り離された労働者階級が誕生
2、クールベは、『プルードンの肖像』という絵を描いているが、社会主義者だったプルードンと友達だった。彼は、これまでの絵の対象だった神や王様に変わって、石を破る人々といった労働者など、市井の人々を、労働のつらさそのものを描いた。
現実の人々を巨大な絵にすること自体が革命的だった。どのくらい大きかったかを『画家のアトリエ』の前に立った青山昌文先生と比較して見せてくれている。また、オルナンの埋葬では、聖職者も描かれているが、市井の人々と同列に描かれていることも、ある意味では革命的であり、先生は口にしていなかったが、遠くの方に小さく描かれたキリスト像も、私には印象的だった。
3、マネについては、ブルジョアの家庭に育ったこともあって、芸術は革命的だが、思想性は、そうでもなかったと言われることが多い。しかし、先生に言わせると、共和主義者だったという。マネも、酒場の人や娼婦といった市井の人々が描いているが、特に、女性の裸体も市井の人々をモデルにしていることが革命的だった。これまでの女性の裸体は、神話の世界での意味の高い存在だった。それに対してマネは、単なる街の、現実の女性の裸体が描いた。
4、芸術というものは、世界の本質を表現したものである。そういう意味では、クールベも、マネも、「価値の転換」を見事に表現している。
| クールベの『画家のアトリエ』 |
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