放送大学の授業科目「西洋芸術の歴史と理論」の一三回は、「20世紀の美術 —— 戦争の世紀の芸術 —— 」で、ピカソとシャガールを取り上げていた。この講義で、『ゲルニカ』に対する新しい評価を知った。古典的な戦争と20世紀の戦争を区別し、ピカソは『ゲルニカ』を通して、20世紀の戦争の本質を見事に描き出している、ということである。
『ゲルニカ』は、ゲルニカへの空爆を描いたわけだが、ここには加害者は描かれていない。この絵では、加害者と被害者が切り離されている。被害者、殺される側の、苦悶というものを見なくても済む。そんな古典的な戦争にはない特徴が描かれている、というのである。
そして、この絵が、我々にとって、わかりやすいものになっている。残念ながら、ニュースなどを通じて空爆というものがどういうものかを知っているからだ。しかし、ピカソにとっては、初めてのことで、実に驚くべきことであり、激しい怒りを感じたことであった。
空爆に対する講師の説明も印象的だった。空爆は、「無防備な一般人をプロの軍人が空から殺す、殺しまくる」というのだ。20世紀の戦争の本質を見事に言い表している言葉だと思う。それでは、21世紀の戦争は、どんな特徴があり、その本質とは何だろうか。
21世紀の戦争を考えるにあたり、決定的な影響を与える存在がある。それは、核兵器と核施設(原子力発電所や原子力潜水艦)の存在である。それゆえ、21世紀の戦争の本質は、人類破壊への扉を開きかねない、ということであろう。21世紀の戦争は人類破壊への扉を開くと言ってもよい。
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