2021年6月6日日曜日

『無人の兵団』の問題点

 自律型兵器については、「殺人兵器の製造開発はもう止めて」で、すでに述べたが、自律型兵器を紹介した『無人の兵団 AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』(ポール・シャーレ著、早川書房、2019年)を借りてさっと読んでみた。すでに、多くに地域で実用化されている実情が報告されている。
 しかし、「法律や国際的な善意など意に介さない輩」の存在を絶対視し、「人類の未来を占う必読書」とうたわれているように、将来にわたってこうした兵器が使われていくのを前提にしている点が、やはり1番の問題点であろう。「自衛のための手段を放棄するよう国に求めるのは、重大な賭けをしろというようなものだ」と、読み方によっては、日本の9条をも敵視しているようにとれる。本当に、そうであろうか。

 戦争が回避でき、武力ではなく条約で各国が平和を打ち立てることができるようなら、とっくにそうなっていただろう。軍隊は、法律や国際的な善意など意に介さない輩から人々を護る手段として存在している。自衛のための手段を放棄するよう国に求めるのは、重大な賭けをしろというようなものだ。 (p475)

 国と非国家組織合わせて九〇以上が、すでにドローンを保有している。ほとんどは非武装の偵察ドローンだが、武装ドローンも増加している。一七カ国以上が、すでに武装ドローンを保有し、さらに一二カ国以上が、ドローンの武装に取り組んでいる。何カ国かは、係争地域で運用するためのステルス戦闘ドローンを開発しようとしている。現在ドローンは伝統的な戦闘ネットワークに組み込まれて使われている。意思決定は人間のコントローラーが握っている。通信リンクに問題がなければ、人間がループの中枢にいてターゲットを承認する仕組みが使える。しかし、通信リンクがジャミングを受けたとき、ドローンはなにをやるようプログラミングされているだろうか? (p93)



0 件のコメント:

コメントを投稿