2021年6月4日金曜日

世界全体を認識できたハイデガー

 筒井康隆さんのハイデガーについての講義録テープを聞いてから、ハイデガーに拘っている。テープを二回ほど聞き、最近は講義内容を書籍化した『誰にもわかるハイデガー』を見つけて読み始めた。「現存在」とか、「道具的存在者」と言った独特な概念が出てきて、難しいところもある。しかし、講義を聞き、本も読み始めたら、不思議と分かってきた。
 その中で、最も感銘を受けたことは、人間存在と、そうした人間存在を取り巻く世界を単純化して捉えてしまったことである。この世界は、あまりにも複雑で、かつ大き過ぎて、その全体を認識することなでできない、これで全体を把握できたと思っても、気がつけば、お釈迦様の掌にいた孫悟空のようなものだ、そう思ってきた。宇宙に存在していると言われている暗黒物質の存在を考えても、当然のことであろう。
 しかしハイデガーは、こうした未知の物質も含めた概念を創出し、世界全体を認識してしまった。つまり、ハイデガーは、人間存在と人間存在を取り巻いている世界を我が物にしてしまった。それこそが、ハイデガーの凄さであり、感動したところである。もっと先に読み進めば、人間の可能性にも言及しているようだが、そこがまた、楽しみである。

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