2021年6月13日日曜日

エネルギーに満ちた表現者

 以前、「幸せな人生のつくり方」で、「今していることに15分心を込めて取り組む。(お茶の先生だったか、書の先生だったか忘れたけれど、丁寧な所作が大切だ、と書いてあったものを思い出した。書も、筆の運びを心を込めて、丁寧にするが重要と、そんなことが書かれていた」と書いたが、ここで思い出した先生は、書道家の武田双雲先生だった。「所作を丁寧にするだけで人生は豊かに」で、その人に興味を抱き、先生の著書を読んでみたい、と書いた。
 早速、『「書」を書く愉しみ』(光文社新書、2004年)を読んでみた。この書を読んで、今まで疑問に思っていた、画家などの芸術家に長寿者が多い理由がわかった。表現者には、「明らかに意志があり、情熱があり、個性があり、人間味があり、エネルギー」がある、というのだ。この、強い意志と情熱のエネルギーこそが、長寿をもたらしてきたのであろう。北斎の人生を思い起こしてみると、そのことがよくわかる。
 この運転手はタクシーという道具を使って、私は筆という道具を使って自分を表現しています。このタクシー空間には明らかに意志があり、情熱があり、個性があり、人間味があり、エネルギーがあります。私は他にもたくさんの貴重な出逢いがあります。それは職業は様々で、その仕事内容に関係なく表現者と呼びたい人とたくさん出逢います。こういう人達には大きな魅力があります。自然と人が集まり、共感を増やしエネルギーが高まっています。自分の意志を貫きつつも社会に放っている人々、そういう人種を表現者と呼ぶことにしています。先ほど、書くことやおしゃべり、ジェスチャーも表現として挙げましたが、これらもそこに個としての意志があれば、それは立派な表現だと思います。(『「書」を書く愉しみ』光文社新書、2004年、 p181)
葛飾北斎、90歳の正月に描かれた「藤子紫龍図」

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